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前世は猫でしたので  作者: KAE


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断罪の後 1

二人が連れ出され、謁見室に残ったのは国王と宰相そしてルークの三人だった。


国王は「ウォールヒル侯爵。私の目論見が甘く迷惑をかけたな。謝罪する」とルークに伝えてきた。


ルークは慌てて「陛下。とんでもございません。突然の不躾な請願書に寛容にご対応いただき感謝こそすれ、迷惑だなんて…それに不躾な物言いで恐縮ではございますが、本人の自白を引き出せて問題解決が早まったのではないかと推察いたします」


「ふふ。そうかもな…では言い変えよう。ウォールヒル侯爵。此度は体を張った調査。大儀であった。礼を言う」



ルークは「はっ。身に余るお言葉恐悦至極に存じます」と臣下の礼をする。


国王は続ける「そして、今回の処遇について、同意してくれたこと心より礼を言う」


「陛下のお心と我が国の事を思えば最善の判断だと思っております」ルークは本心を伝えた。

王宮に着き国王から今回の処遇について相談を受けた時はかなり葛藤した。バーネットのカールの愚かな企みで両親やニールの父は死んだ。本音を言えば事件を公表し、彼等に極刑を求めたかった。しかし、国王が懸念することも理解できた。それにバーネット公爵家門の、いやサザーランド子爵、クローディアのことが一瞬頭をよぎった。すべてを理解して有力な情報をくれた彼等、そして恩人である彼女をこれ以上巻き込んではいけない。そう思った。そして国王の処遇に同意した。


「そうか…ありがとう」と国王はルークの葛藤を理解しているように深く頷いた。


気を取り直して、再びルークを見た国王は、

「さて、ネイルロウという国は今、聞いていた通りの国だ。なかなか厄介でな。国内の事も疎かにはできないが、周辺国のみならず国外との連携も強固なものにしなくてはならないと今回の事件で痛感した。宰相とも相談したんだが補佐官を増やしたい。ウォールヒル侯爵宰相補佐官の職、受けてもらえるか?」


驚いたルークは宰相の方を見る。宰相も小さく頷いている。


「私には荷が重いのではないでしょうか?」


「何を言う。其方の働き、諜報部に伝授してほしいくらいだ。しかし宰相はウォールヒルの力が欲しいというのでな。宰相の仕事は多すぎる。国内と国外。それぞれに補佐がいないと今後回らなくなるだろう。それにひとりで仕事を背負って婚約者に逃げられても困るしな、はっははは!」


そこで宰相が話に入ってきた。

「どうだろうか?私はウォールヒル侯爵の力が欲しいやってくれるか?」


宰相の真剣な目を見て、自分のこれからを考えてルークは「私になど。恐れ多いですが、せっかくいただいた機会はありがたく拝命したいと思います。ありがとうございます」と深く礼をした。


「そうか!よかった。よろしく頼む」と安堵の宰相に


「はい。こちらこそよろしくお願い致します」とルークは笑顔で返した。


その様子を見ていた国王は次の話題に移る。

「では、次の話なのだが、バーネットが失脚して公爵位が2つになってしまった。公爵位は3つで均衡を保つ。現在筆頭侯爵のウォールヒルを公爵に陞爵しようと思う。否はない」


今度は陞爵…あまりにもいろいろ負荷がかかる気がしたが、開き直って「はっ。身に余るご厚情誠にありがとうございます。公爵の名に恥じぬよう精進いたします」再び臣下の礼で国王に際した。


「うむ。励んでくれ」と微笑む国王。そして、

「それから、ランスロットはどうしている?呼んでくれ」


「今は、たまった執務を片付けていると思いますが…かしこまりました」


暫くしてランスロットが謁見室にやってきた。

「お呼びとうかがいました。ランスロット・ジーク・エストラーダ参りました」


「うむ。ご苦労。先ほどバーネットの処分を下した。諸々の手続きは残っているが、事件は終結したと言えよう」


「はい」


「その一環で問題がある。旧バーネット公爵領のことだ。直轄領にすると目が行き届かないことが起きる。そこで、ランスロット・ジーク・エストラーダ。伯爵位を叙爵せよ。国境監視を命ずる。キンバリー伯爵を名乗って旧バーネット公爵領を統治せよ。否はない」


驚いたランスロット、父親の宰相の顔を見るが、落ち着いてランスロットを見て微笑んでいる。(父上も了承済みなのだな)と理解し、

「はっ。ご下命承りました。身命を賭して邁進いたします」


「うむ。励んでくれ」

そして国王が謁見室より退室し、三人は執務棟に戻ってきた。

宰相室でこれからの話をする。

宰相はこれからあるネイルロウとの交渉を含め国内外の(まつりごと)の話をして二人に役割を分担させた。ランスロットは外務のルークは国務の担当となった。

そしてランスロットに「もう、これで婚約者に逃げられても私のせいではないぞ!」と笑っていた。


ランスロットは「外務だけでも、なかなかの量だと思いますが…」と苦笑いをこぼしただけでそれ以上の言及はしなかった。


そして、ルークの公爵への陞爵、ランスロットのキンバリー伯爵の叙爵の公表は年明けに行われる王宮舞踏会の日に合わせて発表されることに決まった。








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