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前世は猫でしたので  作者: KAE


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カールの正体

ティナはランスロットの元にいた。

ランスロットの私室、ランスロットが床に胡座で座りティナを抱き込んでいた。

その姿勢で、今日、王宮で行った報告会の結果を聞いていた。

・カール・レンドロスという人物のことを王太子が調べていること。

・カールと隣国カスケイドとの繋がりを宰相とランスロットが調べていること。

・今夜、国王がバーネット公爵を説き伏せていること。

ティナは黙って聞いていた。


一連の報告が終わると、ランスロットはさらにティナを抱き込んで「なぁティナ、俺は不思議なんだ。あんな〈機密〉レベルの情報をどうやって掴んだのか…」


ティナは、 「きっかけは、別に難しい話ではないのよ」と前置きして、クローディアのことを話した。

ルークを篭絡させる為に利用して、思い通りにならなかったから放逐された。しかも家ごと。救いだったのは両親がクローディアが駒にならなくて良かったと言ってくれたこと。そしてその両親がバーネット公爵家門を見切ったことを話した。


「その後、サザーランド子爵家はどうなったの?」とランスロットに聞かれたが、

「どこかに移住されたことしかわからないの。かなりの借金があることは想像に難くないけど」


「そうか。そちらも少し調べてみよう。何かできることがあればいいが…」


「うふふ。ありがとう。でも今は無理しないで…相手が相手だから解決してから…ね」


「今夜、国王が説き伏せてくれれば大きく変わると思うんだがなぁ」


しかし、そううまくはいかなかった。


――――――――――――


翌日、朝。

ウォールヒル侯爵家にバーネット公爵家より使いがよこされた。

〈申し訳ないが、今後のことを相談したい。急ぎ来て欲しい〉ということだった。


前日夜にティナから王宮での話を聞いていたので、国王が説き伏せたのかと思ったルークはポールを伴い出かけて行った。


――――――――――――


同じ頃。王宮で執務にあたっていたランスロットの元に〈カスケイド〉の中間調査報告がなされていた。

急を要されると判断された結果中間報告となった。


『ネイルロウ王国先代国王の側妃セレン妃の実家は〈カスケイド子爵家〉である。ネイルロウ先代国王とセレン妃の間には第二王子ジェレミー・ダン・ネイルロウが誕生している。

セレン妃は故人であるがジェレミー王子は消息不明。


尚、現国王は正妃との間にできた第一王子だった、カイル王子である。

ジェレミー王子の行方は現在調査中生存していれば、現在55歳』



また、王太子の元にも中間調査報告がなされていた。


『カール・レンドロスは既に故人である。

現在カール・レンドロスと名乗っているのは、侍従であったジミー・ロウと思われるが、国内に出生記録なし。現在追跡調査中』


中間報告を受けて急いで国王執務室に集まった王太子と宰相とランスロット。

お互い情報を交換し合う。そして〈カール・レンドロス〉と〈ジミー・ロウ〉と〈ネイルロウ王国ジェレミー第二王子〉はおそらく同一人物であろうと考察された。さらに国王から〈説き伏せられなかった〉と知らされた。


国王は改めて方針を表明した。

「バーネット公爵を国家反逆罪で捕縛せよ」と。


しかし、ランスロットはそれどころではなかった。

(…ということは、今、バーネット公爵は追い詰められている。罪から逃れようとする…そして)

「まずい!」と椅子から立ち上がった。皆、ランスロットを見上げている。


ランスロットは「ウォールヒル侯爵に危険が迫っているかもしれません。私はここで失礼します」言い終わるや否や執務室を飛び出した。


――――――――――――


前日の夜。公爵邸に帰ってきたバーネット公爵は執務室の椅子に深く腰かけ、背もたれに体重をかけ、天井を向いて目をつぶった。側にはカールが控えている。


「バレた」と一言。


「私の部屋も荒らされた形跡がございました」


「そうか…」


「旦那様。そろそろ次の手を…」


「仕方あるまい。明日朝一番で使いを出す」


「かしこまりました」


翌日朝。ウォールヒル侯爵家に使いが出された。


―――――――――――


ランスロットは馬を駆り、ウォールヒル侯爵家に急ぐ。


猛スピードで馬がウォールヒル侯爵家の門を潜った。


馬を降りたランスロットは急いで正面玄関の扉を叩いた。「ごめん!エストラーダ家のランスロットと申す。ティナーリア嬢にお目通り願いたい」と大声で叫んだ。


扉が開き執事が顔を出した。

「ようこそいらっしゃいました…」と挨拶の途中だったが、ランスロットは「挨拶の途中で申し訳ない。ティナーリア嬢はご在宅か?」と聞いていた時、階段の上から声がした「ランス?」

ランスロットはその声に振り返り「ティナ!侯爵はご在宅か?ルーク殿は?」とティナの前に駆け寄りながら聞いた。


ティナは「いいえ。さっきバーネット公爵家の使いの者がきて、今後の相談をしたいから急いで来てくれ…と。迎えの馬車で出かけましたが…」


ランスロットはティナの両肩においた両手に力を込めながら言った「国王はバーネット公爵を説き伏せられなかったんだ」

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