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前世は猫でしたので  作者: KAE


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二人の旅 3

ティナとランスロットは騎馬隊のルートを迂回して回り込んだ小さな街についた。


移動中に小屋から出発した男達が話していた事を伝えた。

ランスロットは「なるほど、疑問がひとつ解けました。夜にでも情報を整理して共有しましょう」と話した。


その街で、ランスロットは、今着ている服の上に着るベストと商人風の帽子と首に巻くバンダナを買い、行商人のような格好になった。

ティナは、今着ている服の上に着るエプロンドレスとランスロットと揃いのバンダナを買い髪に結んでどこかの店員のような格好になった。

腰に巻いていたバックは紐を買って長くして斜め掛けにして、いかにも買い物に来ている村娘であるかのような演出をした。


近くの食堂に入り街道沿いの窓際に席を確保して食事を取っていた。

食堂の客が話しているのが聞こえてくる。

「今日はもしかして騎馬隊が通るのか?やけに食材が積んであるじゃないか…」


店主が「そうなんだよ!稼ぎ時だよ。行きはこの街は素通りだからさー」


客が得心したように「あんな重い物押してたら進みも悪くなるよなー」


「だけど、あれもなかなかいい給金がもらえるらしいぜ、希望者が多いってさ。まぁ国の仕事だから給金も良くなるんだろうなー」


ティナとランスロットは黙って食事をしながら話を聞いていた。

間違いなくこの街を通過する。二人はひとつ先の街に移動することにした。

その街では、宿屋の主人が忙しそうに従業員に部屋の用意の指示や厩舎の準備の指示をしていた。

試しにランスロットが空室の確認をしたら、本日は貸し切りだと伝えられた。今日はティナ達もこの街で宿を取ることにした。ちゃんと二部屋取れた。不思議だったのは、あの車夫達はどうするのだろうと言うことだった。謎はすぐに解けた。車夫はこの街で交替した。翌朝には交替の車夫が来るという。


夜。ランスロットの部屋で情報の整理をする。

〔坑内労働の男達は大きくふたつのグループに分かれ、交互にひと月ずらして各20人ずつふた月派遣されていた。そうすることにより、毎月4トロイもの大量の鉄鉱石を流出用に用意することができる〕

〔雪が降る間は労働者の派遣がない。おそらく3、4月から10月までの間に行われている〕

〔搬出した鉄鉱石はリレー方式で目的地まで運ばれている。そうすることにより、大掛かりな輸送団を組む必要はない〕

〔この行為は、民には国王の指示だと伝わっている〕

そしてランスロットは騎馬隊の進行速度を考えて地図を見て、そしておおよその国境付近到着時期を予測して、それら全ての情報を書面にしてどこかへ手紙を出す準備をしていた。


その様子を側で見ていたティナに、「気になりますか?これは王太子宛です。同じ物を父にも送ります。

王太子主導で毎年抜き打ちで行われている国境巡視隊が本来の帰還ルートを取りやめて、バーネット公爵領を通過することにしました。時間稼ぎのためにね、そしてどの期間バーネット公爵領に滞在すれば鉄鉱石の流出を阻止できるかを知らせます」


「そうなんですねー。そうしたら伯父様焦りますよね!ふふ」そんな風に言うティナに向かって心配そうにランスロットは聞いた。


「良いのですか?ティナさんの伯父上ですよね?」


ランスロットの気持ちが伝わりティナは気持ちをはっきり伝えた。


「多分兄のルークも同じ気持ちだと思いますが、私達はバーネット公爵とは今までほとんど付き合いがなく、最近、両親が亡くなってから、茶会や食事会に誘われるようになりました。まぁ、しっかり薬を盛ってましたけど、それは鉄鉱石の流出の罪を私達に被せる為に傀儡かいらいにしようとしたのでしょう?そんな人に思い入れは全くありませんって!」


ランスロットはフッと笑って「そう仰るとは思ってましたけど、はっきり聞かせてもらえて私も安心しました」


「お気遣いありがとうございます」


「いいえ。なんの憂いもなく仕事ができて、よかったです」


「はい。お仕事頑張ってください」


「はい。頑張ります」


「ふふふ」

「ふふ」

二人はそんな会話を交わし合いながら微笑み、暫く見つめあっていた。

「……。」

「……。」

ふと、気まずくなり、お互い目を逸らしてしまった。


ランスロットはひとつ咳払いをすると「では、郵便を出すついでに食事に行きませんか?明日もたくさん移動しますから、しっかり食べないと!」


「ふふ。そうですね!しっかり食べて栄養つけないと明日もお仕事頑張れませんものね!ランスさんにはお仕事頑張ってもらわないと!うふふ」


「それはティナさんもですね!二人で頑張りましょう」


「そうですね」と二人は笑い合って部屋を後にした。


宿を出て、郵便を出し、食堂に向かう頃、街が騒がしくなった。どうやら騎馬隊が到着したようだ。

少し様子をうかがっていると、広場に台車が置かれ、車夫が日当をもらい去って行った。

騎馬隊のうち3人が台車の見張りをするようだ。残りは宿に向かって移動して行った。

二人は騎馬隊の動きを確認してから食事に向かった。

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