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前世は猫でしたので  作者: KAE


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バーネット公爵邸にて

「いつの間に…」前回に続き今回も気が付かなかった。今回は、何も連絡する事がなったのでリボンを結んでおいた。通常通り王宮に出仕して通常より遅く帰宅した。帰宅した時はまだリボンがあった。就寝前に確認したらリボンの代わりにウォールヒルからの手紙が吊られていた。(よほど腕のいい者なのだろう。)と思いティナの言葉を思い出した〈信用のおける者ですからご安心くださいね〉とランスロットはいつになくモヤモヤした気持ちを持て余していた。


――――――――――――


翌日、午前の剣術、護身術の稽古を終えたルークとティナは休憩しながら話していた。


「ねぇルーク。これからどうするつもりでいる?」


「そうだなぁ。クーデターや戦争なんて物騒な事はごめんだから、しっかり傀儡(かいらい)役をやっていこうかな…とは思っているけど…」


「そうか…いいなぁ、ルークは役目があって…」


「え?何を言ってる?ティナもちゃんと連絡係をしてくれているじゃないか?表立って接触できないから助かってるよ」


「あんなのはただのお使いよ…」


「でも、してもらわないと困るんだけど…」


「うん…。ねぇ、鉱山の閉鎖のことなんだけど…」


「うん?」


「流出している鉱石だけを止めれば良いんじゃないのかな?」


「そんな器用なことできる?」


「例えば、搬出口だけ封鎖する。…とか?」


「ティナ。何考えてる?」とルークの顔が険しくなる。


「いや。別にちょっと思っただけよ」


ルークは疑わしげにティナを見ながら。

「手紙に書いてあっただろう?搬出経路を確定したいって。昨日の手紙に地図も同封したし、搬出には目を瞑って証拠を掴むのが最優先だと思うよ」


「そっか。そうよね。わかった」


「何を考えていたんだ?だいたい想像つくけど、やめてくれよ」


「大丈夫!ちゃんとルークに相談してから動くから」


「頼むよ」少し不安なルークだった。


「その後伯父様からの連絡は?」


「まだないよ。パーティー終わってまだ1週間も経ってないから少し先になるんじゃない?たまにはこっちからいってもいいとは思うんだけど、うーん。なんか口実があればねー」


「お待ちかねの口実ですよ」と後ろからフランツがやってきた、手紙の盆を持って。


次の週。私達はバーネット公爵邸に晩餐に招待されていた。


「伯父様!伯母様!いつもご招待ありがとうございます!バーネット公爵邸のお食事はとても美味しくて、楽しみにしていましたのよ!」と明るく纏わりつく私。


「伯父上、伯母上いつもありがとうございます。そして先日の爵位継承の披露目の夜会にご列席いただきありがとうございました」礼儀正しく挨拶するルーク。


いつものパターンだった。


バーネット公爵も夫人も機嫌よく迎えてくれた。

柔和な笑顔も忘れずに。


サロンからダイニングへ。いつものルーティンだ。

その中の会話で情報を聞き出す糸口を探す。


バーネット公爵が「いや。継承式ではとても立派だったよ。私はそんな甥っ子が持てて嬉しいよ」と言えば


夫人が「パーティーでも立派に振る舞って頼しかったわよ、もう立派な侯爵様ね」と持ち上げる。


「いやいや。僕なんかまだまだですよ。早く一人前にならなきゃって思ってるんですが…」と少し情けなさそうな顔を作り出す。


「どうしたんだい?何かあったら相談に乗るよ」


「ありがとうございます。しかし、そこまで甘える訳には…」


「なーに、可愛い甥っ子のことだよ。甘えてくれ」


「ありがとうございます…まぁ、仕事のことなんですけどね」


「ん?どうした?」興味があるのが伝わる。


「いえ、もう少し頑張ってみます。それでもダメなら相談に乗ってもらってもいいですか?」ルークは少し引くことにしたようだ。


「あ、ああ勿論だ。いつでも手伝うよ」とルークに伝え、私に視線を移した。


「そういえば、この前は随分楽しそうに踊っていたな?」


(あー、きた)と思いながら「え?私が?」ととぼけてみた。


「ああ。エストラーダの(せがれ)と」


「ああ!小公爵様とですか?うふふ。楽しかったですよ、結構お話がお上手で、あれは手慣れてますね!ふふ」


「そうか。ティナも楽しんでいるように見えたが。相手が手慣れていただけなのか?」


「ええ」


「その後は何か連絡とかあるのか?」


「ないですよ」と即答する。続けて「他の方のお相手をするのがお忙しいのではないですか?ふふ」と言ってみた。なぜか心がチクチクしたけど気づかないフリをした。


「あの(せがれ)は父親の仕事を手伝って〈宰相補佐官〉なんてふざけた肩書を持っているのだ」とうかがうような目つきで私に告げた。


「あら。そうだったんですね、知りませんでした」


そんな会話をしながら食事は進んでいた。

鼻がピクッと反応した。相変わらず懲りずに食事に細工をしてくださる。私はそれに乗ることにした。


ガチャ!とフォークとナイフを落とし俯く。ついでに「こぼっ、こぼっ」とむせてみせる。


「ティナ?」ルークが本気でびっくりしてる。


「ルークぅ…気持ち悪い…」


「大丈夫か!」「伯父上!かなり調子が悪いようです。申し訳ありませんがここで失礼します!」と伯父の返事を待たずに私を抱いて屋敷を飛び出した。


「……。」ルーク越しに見た伯父様、伯母様は呆然と立っていた。(ルーク、そんな退場の仕方あり?)と心の中で思った。


馬車に乗り込み椅子に座らされる。

ドカッっと前の椅子に座ったルークが「で!何を考えているのか教えてくれる?」と腕を組んで私に聞いた。








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