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前世は猫でしたので  作者: KAE


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ティナの帰宅 2

皆、ことの重大さを理解していた。最悪「命」はない。

どうすれば…と思っていると

ティナが「国王様の指示かそうでないかで大きく違ってくるのよね?じゃあ、国王様に聞けば?」と軽く言ってきた。


ルークはある意味正論のティナの言葉に驚いて「どうやって聞く?直接謁見はどこで邪魔されるかわからない相手は厳密にいえば王家の人間だからな」


ティナは顎に人差し指を添えながら「うーん。そうねぇ。確実に国王様に話が通せる人に相談すれば謁見も可能なのではないかしら?」


フランツが「確かに良い考えかもしれません。まだ問題が表面化していない今なら、我が領で異変が起きている。我々は謀反を起こすつもりなどない。しいてはご協力を賜りたい。請願すればもしかしたら良い方向に向くかもしれません」


ルークは「誰に?」と問うと


フランツは「確か、王太子妃様の父君は現宰相殿ではないでしょうか?宰相殿が娘の嫁ぎ先である王家に害を成すかもしれない問題を放置するとは思えません」


ルークが「もし、その宰相がその問題を放置して我々に謀反の疑いがかかってしまったら…」

の言葉に被せるようにティナが「その時は皆で逃げましょう!そんな信用できない国なんてこっちから願い下げよ!」と明るく言ったので、皆は吹っ切れたように「そうだな」「そうね」「そうしましょう」「逃げましょう」と口々に言い宰相に協力を仰ぐことにした。


方針が決まると次の問題が出てきた。

どうやって、誰にも知られずに、公爵に見つからずに宰相に連絡を取るか…。


ティナがまた明るい声で「私が行ってくるよ」とおつかいに行くような口調で言った。


ルークが驚いて「どうやって?」


「王宮の執務室か直接エストラーダ宰相邸に?」と軽く返答する。


「随分と軽く言うなぁー」とルークはため息をついた。


フランツが「では、誰が…ではなく、いつ持って行くのが良いのか検討しましょう。どちらに持って行くにも大変なのは変わりませんから」


そして皆で一番早いタイミングはいつかを話し合った。


そこでティナが口を開く「あまり重要な事ではないかもしれないけど、ルークが小侯爵の時でも大丈夫なのかしら?侯爵を継承してからの方が良いのかしら?」と聞いてきた。


失念していた。ルークはまだ爵位を正式に継承していない。まだ子ども扱いだ。相手にしてもらえるかどうかもわからない。


フランツが「確かにティナさまの意見はご尤もです。賭けではありますがこうしませんか?ルークさまの爵位継承式終了後速やかに請願書を出す。と」


ルークが「そうだな。それまでしっかり証拠を整理してすぐに理解してもらえるように準備しよう」


ティナが「じゃあ、王宮で行われる継承式終了後すぐに宰相執務室に持って行くわ、そうすれば列席している公爵も油断してると思うし」


皆は反論することもできず同意するしかなかった。


思い出したようにルークは「あぁ。それからデニスは解雇だ。ただ解雇後のデニスの居場所は把握しておくように、証人が必要になるかもしれないから」


フランツは「かしこまりました」と返事した。



その時ノックの音が響く。外から侍従が「お話のところ申し訳ございません。バーネット公爵様の使いの者が参っております」と言った。


数日前にお見舞いの手紙が届いたばかりだ。

「この前の手紙に体調は問題ないと答えたから今度は何かお誘いのお手紙かな?…ま、いいや。入って」と侍従の入室を許可する。

侍従は盆を手にしていた。

手紙を受け取り中身を確認する。


ルークは返事を書くので使いの者に暫く待つように伝えてくれと侍従を下がらせ、皆に向かって「案の定、晩餐への招待だった。ティナもよければ一緒に…と」手紙の内容を知らせた。


ティナは少し考えたあと「今回は遠慮するわ。何か盛られても面倒だし。それよりまたルークに何かしようとしてるのではなくて?私はそれを阻止する方に回るわ」と言った。


「わかった。では今回は僕だけで行ってこよう。欠礼の理由はどうする?」


「旅の疲れがでている。とでも言っておいて」


「どんな虚弱体質だよ…ふふ」

とルークは笑いながら返信をフランツに預けた。


翌日夜。ルークは公爵邸へ向かう為に馬車に揺られていた。同乗者はティナとポール。

ルークは今日は黒のタキシードである。

ティナは既に黒い服に身を包んでいる。

ポールは晩餐会用の侍従仕様だ。


「ティナ。あまり無理するなよ、念のため薬は飲んできたから」


「そうですよティナさま。ちゃんと下剤も持ってきてますし」とポールがニヤニヤして小瓶を見せる。


ルークが顔を顰めて「それの世話にはなりたくないな」と呟いた。


「そうならない為についてきたんだから。伯父様には仕返しして差し上げないと気がすまないわ。相手がどうでるか今から楽しみよ」と不適な笑みを浮かべるとルークとポールは「まぁ、ほどほどにな」「ほどほどにお願いしますね」と同時に言った。


馬車は門を潜り抜け公爵邸の敷地へと入って行った。

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