ノートン子爵 1
ガチャ。
「叔父上、お待たせしました。本日は葬儀にご参列いただきありがとうございました」ルークは軽く頭を下げながら挨拶をする横で私もルークに倣い頭を下げる
「いやいや、しっかり役目を務めて立派だったよ。兄上達も安心しているだろう」穏やかにロバート叔父様は答えた
部屋にはロバート叔父様、マーガレット叔母様、従兄弟のジェラルド兄様がソファーに腰掛けていた
ロバート叔父様はお父様の実の弟だ。ウォールヒル家が持つ子爵位を賜りウォールヒル領と少し離れた子爵領で暮らしている。良好な関係で、私達家族と叔父様家族が食事を共にする機会も年に何度かはあった
叔母様にもジェラルド兄様にも可愛がってもらっていた。今回の訃報を知って親族の中で一番に駆けつけてくれて葬儀の時にもずっと寄り添ってくれていた
「教会から叔父上の領地に戻られたと思っていました」ソファーに腰掛けながらルークが切り出す
「そのつもりだったんだけどね…二人はまだ若いしちょっと心配になって途中で引き返してきたんだよ」
「……。」私達は無言で話の続きを促す
「それでね、ルークが成人して正式に侯爵位を継ぐまで私が侯爵代理を務めてあげようと思ってね、どうだろうか?」
暫しの沈黙の後ルークは口を開いた
「お言葉は嬉しいですが、今後の事は先程ティナ達とも話し合って目処を立てたばかりなのでご心配には及びません」 言い切った!
しかし叔父は食い下がった 「いいね、前向きで。しかし君たちは学業もあるだろう?それに若いとやっぱり侮られるんじゃないか?成人するまでたった半年と思うだろうがされど半年だ。それに私達は君達の事が心配なんだ」
「しかし、子爵領は?」
「あぁ。それは心配ない。この機会に息子に経営を任せてみようと思っているのでね」
ジェラルドお兄様に視線をやると、なんとも複雑な顔で微笑んだ
「……。」どの位時間が経っただろう
「…そうですか。叔父上のお気持ちは大変嬉しいです。半年間よろしくお願いします」と硬い顔で頭を下げた
「そうか。そうか。任せてくれ。フランツ、サポートを頼むぞ」
「かしこまりました。よろしくお願い致します」
フランツも硬い表情で頭を下げる
「では早速明日から取り掛かるとしよう。さて、今日はもう休ませてもらうよ」
すかさずマリアが「ご案内します」と叔父様家族と連れ立って部屋を出て行った
叔父様達が出て行った後、なんとも言えない空気がただよう。
「これでよかったのかな…」ぽそっと呟いたルークにフランツが答える「ある意味良かったのかもしれませんよ。ロバート様の気もおさまるでしょう。それに半年です。
…もしかしたら半年持たないかもしれませんが…」
最後の方は呟きのようで聞き取れなかった




