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前世は猫でしたので  作者: KAE


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公爵との会合

馬車から降りたバーネット公爵を玄関先で出迎える。「ようこそおいでくださいました伯父上」


「これは、これはルーク殿。お変わりありませんか?」と柔和な笑顔でこちらにやってくるバーネット公爵。


「はい。伯父上。先だっての葬儀ではご参列いただきありがとうございました」と礼を返す。


「とんでもない。ルーク殿のお父上も我が妹も成人前の二人を残してさぞ無念だったでしょう。大変な大事故だったと聞いています。お二人ともよく生還なされましたな」


「周りの者が言うには、奇跡だったと」


「確かにそうですな。きっと神の思し召し。大事になさいませ」


「ありがとうございます」

と一見和やかに話す。その目の端でモノクルの男を捉える。無心のような態度を取っているが、あたりを窺っているのが伝わってくる。


「立ち話もなんですのでこちらに…」と執務室の前を通り客間に案内する。公爵とモノクルの男は執務室の扉にチラリと目をやるのをルークは捉えていた。


ロックフォード・リーヴ・バーネット公爵は、がっちりとした体格の男で、白髪混じりの金髪と目尻の小皺がかろうじて年齢を感じさせるくらいで若く見える。

かなりの美丈夫だったと容易に想像できる。

バーネット公爵家は前国王の実弟が臣籍降下してできた家門で現バーネット公爵は二代目。現国王とは従兄弟にあたる。


バーネット公爵を客間に案内し、ソファを勧める。

ソファに腰を下ろした公爵の後ろにモノクルの男が控える。

ルークはチラリとモノクルの男に目をやると、公爵がそれに気づき「これは我が家の執事でカール・レンドロスと申す」と紹介すると「カール・レンドロスと申します。よろしくお願いいたします」と慇懃に礼をした。


ルークが「カールさんですか。よろしくお願いします。こちらは我が家の執事でフランツ・ハーバルと申します」と紹介すると「フランツ・ハーバルと申します。どうぞよろしくお願いいたします」と礼を返した。


タイミングよくマリアが茶菓のセットをワゴンで運んでくる。暫くは茶菓がテーブルにセッティングされるのを静かに待つ。モノクルの男カールはそれもじっと観察している。


マリアが退室し、話が始まる。

先ず公爵が口を開いた「だいぶ落ち着かれましたか?なにぶん急でしたので、案じてました」


「ありがとうございます。確かに突然のことで混乱しました。いや、まだ混乱してますね…」と苦笑いする。


「侯爵家は手広く事業をされているのでその把握だけでも大変でしょう?」


「あはは。実はそうなんです。でもおかげさまでそれぞれの責任者がとてもしっかり管理してくれているのでなんとかやれていると思います。後は少しずつ慣れていこうと思っています。しかし処理しなきゃいけない書類がこんなに多いとは知りませんでした」


「ロバート殿もそのことを心配されておいででした」


「ええ。ロバート叔父上からも伯父上がとてもご心配くださっていることを聞いてありがたく思っておりました」


茶菓に手を出さないので勧めてみる。

「お茶が冷めてしまいますね。話に夢中で失礼しました。どうぞお召し上がりください」


「ありがとう」とは言うものの手を出さない。

警戒している?と思いルークが先にカップとソーサーを手に取りお茶を口にした。それを見て初めて公爵もカップに口をつける。


ルークが「フランツが支えてくれて、なんとか毎日をやり過ごしていますよ。ははは」の情けなさそうな顔をして笑う。


公爵がニヤと笑い「だいぶお疲れのようですな、どうです?今度一度私と気分転換に遠乗りにでも出かけませんか?」


「それはとても嬉しいです。是非お願いします。僕は学院時代は勉強よりは体を動かす方が得意でしたから」と乗り気味に答えた。


「では、日程を調整して早めに行きませんか?」

「カール。予定はどうなっている?」

公爵は前者はルークに後者は後ろの執事に話しかけた。

カールは答えを準備していたかのように「今週と来週は空いております。7月後半は領地からなど諸々の会談が控えております。調整すればそこも一日くらいはなんとか」とスラスラと答える。


ルークは後ろのフランツに「こう仰ってくださってる。僕の方はいつでも大丈夫だろ?」と声をかけると少し難しい顔をしたフランツが「ルークさま。少し押しております。もしお許しいただければ少し調整の時間をいただきたいと…」

ルークはすかさず「せっかく伯父上がお誘いくださっているのにそれも難しいのか?では、いつになったら大丈夫になるんだ?」と少し声を荒げて言う。

「申し訳ございません。では、先に遠乗りの日程を決めていただいた上で今後の調整を進めて参ります」

その答えに満足したようにルークは頷き、公爵を見る。「お聞きの通りです。僕はいつでもかまいません。伯父上が決めてください」と侯爵に伝えた。


「はっはっ。承知しました。では来週の火曜日あたりはどうですかな?天気が良ければ行きましょう。当日の朝に使いをよこします」


「ありがとうございます。とても嬉しいです。実を言いますと運動不足気味で…」と答えると


「タイミングよく声をかけられてよかったです。はっはっは」と機嫌が良さそうに返してきた。


「では、来週…」の言葉を最後に屋敷を辞する挨拶をし客間を出ていった。ルークは見送りの為共に客間を出る。玄関に向かう途中執務室のドアが開きポールが書類を抱えて出てこようとして鉢合わせた。

ハッと気づいたポールは「失礼しました」と一旦執務室に戻ろうと扉を開け礼をして扉を閉めた。その一瞬を公爵もカールも逃さず室内を確認していたのをルークとフランツは見逃さなかった。







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