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前世は猫でしたので  作者: KAE


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22/105

公爵の来訪

今日は朝から仕事が手につかない。

(伯父上がなぜ…。)ずっと同じ疑問が頭の中をグルグル回ってる。

心配そうにフランツが側にいるが、空気を読んで声をかけてはこない。

「ふぅー」と息を吐いて気持ちを落ち着かせようとする。それを見てフランツが声をかけてきた。

「大丈夫でございますか?」


思ってる事を口にしてみる。

「あんまり大丈夫じゃないな。びっくりしすぎて…乱入者やデニスはおそらく日誌を探していた。それはきっと伯父上の指示だろう。そう考えるとあの乱入者の統率の取れた動きも納得できる、きっと公爵家の者なのだろう。不思議に思っていた事があるんだ。父上や母上が生きていた頃はほとんど交流のなかった伯父上が僕達の事を気にしていて、ロバート叔父上と協力して支えていきたいと言っていたらしいが…急にどうした?と思ってしまったんだ。思い返すと、葬儀の時だって微妙な距離があった。母上は政略結婚の為に養女になったって聞いていたからそんなものなのか、と思っていたのに、マーガレット叔母上から話を聞いてなんだか違和感を感じた。やはりこの日誌が鍵なんだろうな…これからどうするか…」と考え込む。


「やはりティナさまのお帰りを待って報告を聞かないといけませんね」


「そうだな…どちらかの鉱山で何か起こっているのは間違いないんだろうが…」

どこで誰が繋がっているかもわからないから手紙等のやり取りはしない事にした。ティナの無事の帰還を待つしかない。非常に落ち着かなかった。


「ティナさまのことです。きっと大丈夫ですよ」とフランツがかけてくれた言葉が頼りだった。


「そうだな…」と返事をしようとした時、扉をノックする者がいた。

「入れ」の言葉に「失礼します」と侍従の一人が入ってきた。「バーネット公爵家の者がこちらを」と盆に乗った封書を差し出す。

フランツと顔を見合わせる。「!」「!」やはり驚いている。

封書を受け取り中身を取り出し読む。

フランツが「なんと…?」


「明日、こちらを訪問したいそうだ…断るわけにもいかないだろう。了承した旨の返事を出す。使いの者はまだいるか?」


侍従は「はい。まだお待ちいただいております」


「では、すぐに返事を書こう」

ルークはすぐに了承の返事を書き侍従に託した。


侍従が退室した部屋でフランツと明日どう対処するか話し合う。すぐにマリアとポールも呼ばれ合流する。


話し合いでは、公爵の目的がわからないから下手に動くとこちらの考えがバレてしまう。先ずは相手の出方を見ることにした。ひとつ確実なことは日誌を回収したいのだろう。渡すわけにはいかないし、持っていることもバレてはいけない。盗むことが難しい場所に隠す事にした。後は何かないか…と考えてふと思いついた。「フランツ、この部屋を荒らしてくれ。僕はバカになる」


皆「「「???」」」と素っ頓狂な顔をしている。


「ふふ。僕がバカなら向こうは安心するだろう?」


「ふふ。これは、これは、やりますな」悪い笑みを浮かべたフランツは嬉しそうに言う。

他の二人も得心したように笑みを浮かべて「なかなか楽しそうな事をお考えになりますね」と言ってくれた。「あまりやりすぎますと尻尾を掴まれます。皆充分気をつけましょう」とマリアが締め括った。


翌日の午後。バーネット公爵が公爵家の豪華な馬車で執事を伴い侯爵家にやってきた。

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