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前世は猫でしたので  作者: KAE


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ベックとの会話

「おはようございます!今日もいい天気ですね!旅日和ですよ!お支度お手伝いしますね」エレナが元気よくカーテンを開ける。


「うーん!おはよう。ほんとにいい天気ね。今日もよろしくね」と言いながらベッドから離れ身支度にかかった。


昨日の夕食同様、皆で朝食を食べ出発する。

ニールは初めての旅なのに疲れた様子も見せず、時には馬車の中で私やエレナと過ごし、時にはバートの馬に一緒に乗り、時には御者台のベックの隣に座り馬の扱いを教わっている。ニールの笑顔は皆の気持ちを和ませてくれていた。


二日目の昼は川べりにマットを敷いて皆でピクニックをした。


ニールはバートと木の枝で剣術の稽古の真似事をして笑い声を上げている。

それを私とエレナ、ベックで見守っていた。

ベックは笑っているニールを見ながら「笑ってる。よかった」と呟いている。


私も「笑ってるわね。よかったわ」と誰に言うとでもなく言葉にした。


ベックはハッとして「申し訳ありません。ティナーリアお嬢様の前で…」


私は「うふふ。お嬢様は要らないわ。フランツやマリアなんて最近お嬢様なんて言わなくなったわよ。ふふ」


ベックはまだ恐縮している「そうなんですか…」


「そうなのよ。でも理由はわかってるつもり。もう子どもじゃないんだよって自立を促されてるって」


「そうなんですか」


「だからベックも…ね」


「かしこまりました、ティナーリアさま」


私はまたニールの方に視線を戻し「ニールには気の毒な事だったわ」


「…はい…」


「ラルフ…ニールの父親ってどんな人だったの?」


「ラルフですか?ラルフはとっても明るい男でした。そして家族をとても愛していて、休みの日なんかは家族で出かけた。とよく聞いてました。仕事仲間にもラルフは慕われていたんですよ、結構いろんな相談を受けていたみたいですよ。それに何か不調そうな仲間には声をかけて励ましたり…良い奴でした」と目元を赤くしてニールを見ながら話した。


「そうだったのね」その後の言葉が続かない。


エレナが会話に入ってくる「皆んなのムードメーカーだったんですね。やはり親子ですね、今はニールが私達のムードメーカーになってくれてます」


「本当にそうね。ニールの存在はありがたいわ」沈みかけた空気が浮上してきた。エレナ、ナイスフォロー。


エレナが続ける「今はベックさんが皆んなのムードメーカー的存在ですよね、皆んなベックさんのこと頼りにしてるみたいですよ」


「いやぁーそんなことないですよ」とまんざらでもないようだ。「でも、そう思ってもらえるのは嬉しいですね」


「うふふ。気負わずにお願いしますね」と伝えると


「気負わずに…は、なかなか難しいですね…はは。実は少し気になってる奴がいるんですが声はかけられずにいます」


「あら、それは誰か聞いても問題ない?」


「大丈夫ですよ。デニスです」


驚いたが、顔には出さずに平静を装う。エレナも。

「何かあったの?」


「特にこれといった事はないんです。なんだかフワフワしてる?荒んでる?…上手く言えないんですが、以前とは違ってるようで…前はあんな感じの奴ではなかったのに…」


「何かきっかけがあったのかしらね?」


「そうかも知れませんね。帰ったらそれとなく聞いてみようと思います」


「お願いしますね、ベック」


「はい。承知いたしました」

その後は取り止めのない会話が続き、旅を再開した。




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