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前世は猫でしたので  作者: KAE


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20/109

繋がっている者の正体

コンコン。とノックの音。

中から「入れ」と短く返答がある。

「旦那様。お手紙が届いております」と盆を男の前に差し出す。チラリと盆を見た男は吐き捨てるように言った「今頃きたのか。もっと早く連絡をよこしてくるべきだろう?」盆を持った男は「さようでございますね。しかし何せ事務仕事どころかまともにペンを握れないようですから」と手紙の主を蔑むように言う。

続けて「お読みになりますか?」と聞けば男は無言で手を出す。盆を持った男は一旦盆を机の端に置き、ペーパーナイフで封を切り封筒ごと手を出した男に渡す。

男は手紙を取り出し読む。「はっ。報告通りの内容で目新しい情報は何もない。時間を無駄にしたものだ」と手紙を机に放り出す。

盆を持っていた男は封筒と手紙を拾い上げ盆に戻す。

そして徐に男に話始める。

「それと、奴から連絡がありました。娘が今日から暫く休暇を楽しむ為に領地に向かったようです」


「何か気づかれた様子は?」


「それはないと思われます貴族の女性は着飾る事しか興味がありませんから」


「息子の方は?」


「同行せずこちらに残っているようです。おそらくまだ片付けが終わっていないのではないかと…かなり荒れていたようですので」


「そうか」


「引き続き奴を確保しておきますか?」


「ああ。まだ使い道があるやも知れん」


「かしこまりました」

そうしてモノクルの男は部屋を辞して行った。


男の部屋が見える場所。窓から少し離れた木の上からじっと男の背中を見つめるオッドアイがあった。


――――――――――――


「いただきま〜す」ニールが元気よく挨拶をして肉を頬張る。

「うふふ。そんなに急いで食べなくても大丈夫よ。ゆっくり、よく噛んで食べて」とエレナが優しくニールに語りかける。

旅の初日が終わり皆で宿の食堂で食事をする。

「私までご一緒させていただいてもよろしかったんでしょうか?」と御者のベックが恐縮しながら言う。

「勿論よ!今回の旅は特別なの。フランツから課題を出されてね、いろんな方としっかり交流を持って視野を広げるようにって」笑って言うと、バートが「特別だからな!」と笑って念を押して私のフォローをしてくれる。

今回の旅はとにかく情報をたくさん集めることが目的である。どんなに小さな情報でも欲しいところである。雑談の中にも何か気づく事があるかも知れないからバートに協力を求め旅の仲間として交流を持つことにした。

それに一生懸命ご飯を頬張るニールは可愛い。

和やかな時間を過ごし、旅の初日の夜は過ぎていった。


――――――――――――


「ルークさま、おかえりなさいませ」


「ああ。ただいま」


「?いかがなさいましたか?」


「デニスは?」


「はい。少し前に戻り、自室に入っていったようです」


「そうか」


「?…。」


「デニスと繋がっている者がわかった」


「…それで…誰だったのですか?」


「伯父上。ロックフォード・リーヴ・バーネット公爵だ」


「!」フランツは驚いて言葉も出ない。


「まずいな」ルークがポツリとこぼす。


部屋には重い空気が漂っていた。




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