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前世は猫でしたので  作者: KAE


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もつれた糸

フランツにもお母様宛の手紙と日誌を見せた。

読み終えたフランツからはやはり何も言葉が出てこなかった。

沈黙が続く。

二人とも何か思案顔だ。私もこの状況を整理してみる。(本来お父様はいつも私達が夏休みに入ってから一緒に領地に行っていたのに今年は早めに一人で行く事にした。そして日誌は私達のお守り。何故これがお守りになる?ひとりで領地に行くという事は何か危険な事もあったって事?馬車の事故とは無関係?あの乱入者が探していたのはもしかしてこれ?)頭の中でいろんな疑問がグルグル回る。


その時ルークが沈黙を破る。

「ふぅ。先ずはみんな食事にしよう。そして今日の夜の訓練はなしだ。使用人消灯後夜勤の者に見つからないように僕の私室に集まろう。マリア、ポール、エレナもだ。ノックは無用だ。話はそれからにしよう」


「かしこまりました。皆に伝えます」


そして私達はダイニングにフランツは贈り物と手紙と日誌を保管に向かった。

その日の夕食の時間はとても静かに過ぎた。


消灯後、皆静かにルークの私室に集まった。

「先ずは、マリア、ポール、エレナにこの手紙と日誌を読んで欲しい」とルークは三人に手紙と日誌を渡した。三人は静かに読む。三人とも困惑顔だ。

誰も言葉を発せない。


ルークが「…という事だ。この短い期間にいろんな事が起こりすぎて少し…いや、かなり混乱している」

さらにルークが続ける。

「だから全て切り離して考えることにした。そして憶測で無理に結びつけるのではなく事実のみを調査して答えを出せば他の疑問に思っているものが繋がってくるかこないかがわかるような気がする」


そこまで考えが及ばなかった私はルークの考え方に驚くとともに感心した。そして皆が同意したのを確認するとフランツが「ルークさまの考え承知いたしました。では先ずはこの日誌の調査から始めればよろしいのでしょうか?」


「それが一番いいのだろうな。そうしよう」


三枚の日誌が机の上に並べられる。六人でそれを覗きこむ。


フランツが日誌を見ながら「うーむ。見たところ特に変わった事はない日誌に見えますが、これが皆さまを守る物になると旦那様は書いておられた。他の日の日誌と比べた方が良いかもしれませんね」


「そうね。そこから始めるのが……」と皆に話しかけようとした時、ピクッと私とルークの耳が物音に反応した。「「「??」」」他の三人は私とルークの異変に気づき私達を無言で見る。どうやら三人には聞こえなかったようだ。

唇に人差し指を当て静かにするように合図をして、私達はバルコニーに向かう。

静かに扉を開け、柵に乗ったルークの後に続こうと動き出そうとして腕を掴まれる。

マリアが私の腕を掴んでいた。「ティナさま、いけませんよ。今日はドレス姿ですよ」と囁く。

そうでした。これでは服が邪魔で飛べません。ルークが振り返って様子を見ていたが、静かに頷いてひとりでバルコニーの柵や壁の張り出し部をうまく飛び移って音がした方に向かって行った。





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