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前世は猫でしたので  作者: KAE


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父からの手紙

その手紙にはお父様の筆跡でこう書かれてあった。


―――――――――――

ティナへ。

もうすぐ卒業だね。おめでとう。

パパは今年は早めに領地に行く事にした。

卒業パーティーに出かけるティナの晴れ姿が見られないのは残念だ。卒業祝いに髪飾りを贈るよ。使ってくれると嬉しい。


パパのいない間に何かあったら一緒に入れた書類がティナ達を守ってくれると思う。だからパパが帰るまで持っててくれ。帰ったら返してもらうから。


卒業パーティー楽しんできなさい。   パパより

―――――――――――


「パパ…なんて小さいころにしか呼んでないのに…。お父様ったら…」涙が頬を伝う。


一緒に畳まれていた物はどうやら何かの日誌のようだ。私は初めて目にする。これはなんだろうと思いながら眺めていた。

その時「これは…」とルークの呟く声がした。

そちらに目を向けるとルークの方にもどうやら同じような物が入っていたようで、その紙を凝視している。

私の視線に気づいたのかルークが私を見る。そして私の手元も。


「ティナの物にもそれが入っていたの?」


「ええ。初めて見るわ。これは何?日誌に見えるんだけど…」


「その通り。日誌さ。ウチの二つある鉱山のどちらかの…」


「まぁ。これが私達を守るって…どういう事かしら?」


「ティナの手紙にも君達を守る書類だと書かれていたの?」


「ええ」


「手紙。見せてもらってもいい?僕のも見て欲しい」


私は手紙と日誌をルークに渡した。代わりにルークがルーク宛の手紙と日誌を私に渡してきた。

二人でお互いの手紙を読む。


―――――――――――

ルークへ

もうすぐ卒業だね。おめでとう。

父は今年は早めに領地に行く事にした。

卒業パーティーに向かう君の姿が見られないのは残念だ。卒業祝いにプローチを贈る。使ってもらえると嬉しい。


父のいない間に何かあればこの書類が君達を守ってくれると思う。父が帰るまで預かって欲しい。

帰ったら返してもらうから。多分これを見て君は何かに気づくかもしれないが、今は預かってくれるだけでいい。


先ずは卒業パーティーを楽しんで欲しい   父より

―――――――――――


「どういう事?」誰に問うでもなく呟く。

ルークは隣で難しい顔をしている。

暫く黙って様子を見ていたフランツが私達に声をかける。「ルークさま、ティナさま、。私も旦那様のお手紙を拝見してもよろしいでしょうか?」

私達は頷き、黙って手紙と日誌をフランツに渡す。

フランツは黙って受け取り二枚の手紙と日誌を読む。


読み終えたフランツは「ルークさま。これは…」と言ったまま続きの言葉を発せない。

ルークは短く「ああ」とだけ。


私は「ねぇ。お母様宛の贈り物は?何か入ってる?」と二人に言った。

「確認した方がいいな」とルークはお母様宛の贈り物に手を伸ばした。包みが開けられ、箱の中から少し大ぶりなルークと同じデザインのプローチと金のチェーンにプローチと同じデザインでかなり小さいサイズの物がいくつも取り付けられた華やかなネックレスとそれに対になるようなイヤリングが出てきた。そして私達の時と同じように台座と宝飾品の間に挟まるように手紙と日誌が折り畳まれて入っていた。

―――――――――――

フローラへ

今年は私だけで領地に行ってくるよ。

君は子ども達を卒業パーティーに送り出してやって欲しい。

社交の時期には戻るつもりだ。今年の社交は二人でこれをつけてしよう。


私のいない間に何かあればこの書類が君達を守ってくれると思う。私が帰るまで預かって欲しい。


留守は頼んだよ。     愛を込めて。アル

―――――――――――

言葉が出なかった。

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