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前世は猫でしたので  作者: KAE


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父からの贈り物

私達は剣術、護身術、執務、勉強、訓練と忙しい日々を送っていた。

驚いた事に護身術はフランツが指導してくれている。ルークやポールが子どもの頃に会得した剣術の基礎はフランツの指導によるものらしい。家内の仕事や勉強はマリアがサポートしてくれている。細々とした目立たないが大事な案件などがありこれもまた大変だ。夜の訓練はその憂さ晴らしも兼ねてなかなか熱が入るが楽しい。マリアは私達の訓練の様子を見て訓練着の素材、デザインを思いついたそうだ。出来上がってくるのが今から楽しみだ。


そんなある日。


執務室でルークはフランツに「今年は領地にお帰りになりますか?」と尋ねられた。


毎年夏の頃に両親は領地に帰っていた。


「そうだな、やはり帰った方が良いのだろうな」


「そうでございますね、これからルークさまが領主となられる事を周知させる為にはその方がよろしいかと」


「わかった。夏には一度領地に戻ろう。ティナも同行するか夕食の時にでも確認しよう」


「かしこまりました」


こんなやりとりがあったその日の夕方、ルークとティナは夕食を摂る為にダイニングに向かっていた。

ルークがティナに「家内の仕事と勉強はどう?」と尋ねると、「結構いろいろあってなかなか大変よ。マリアがいなかったらどうなってたか…まだまだね!」と肩をすくめておどけて答える。

「ルークは?いろんな業務があるんでしょ?どう?」

「ティナと一緒。フランツがいなかったらどうなってたか…僕もまだまだだよ…ははは」とこちらも笑って答えていた。

「ところでさ、今年の夏の事なんだけど…」とルークがティナに話しかけようとした時、向こうから箱を三つ載せた盆を持って神妙な顔のフランツがやってきた。


「ルークさま、ティナさまお届け物でございます」

フランツの顔を訝しく見ながらルークが「誰から?」と問う。


ひと呼吸おいて少し震える声で「旦那様からでございます」と伝えた。


「「えっ?」」とただ驚く私達。

私は「お父様…から…?」と確認するとフランツは黙って頷いた。普段黙って頷くような振る舞いはしないフランツを知っているので、フランツの動揺も相当なのだろうと推測できる。


とにかく私達は受け取る事にした。

「…でも三つ?」と疑問の声を出した私にフランツは「はい。ルークさまとティナさま。そして奥様に…」

あぁ…まずい。もう泣きそうだ。


私達はルークの執務室に移動した。


私達はそれぞれ自分宛の箱を受け取り開けてみた。

中には…ルークには金細工の地金に水色の宝石が嵌め込まれた少し小ぶりのプローチ。私にはルークと同じ柄の金細工の土台に水色の宝石が品よく散りばめられた髪飾りが入っていた。思わず「お父様…」と呟き贈り物の入った箱を抱きしめた。カサッっと音がしたので気になり再度箱の中を見る。

すると、髪飾りと台座の間に紙片が挟まっていた。不思議に思いその紙片を開く。

その紙片は2枚重なっており、どうも手紙のようだ。


隣を見ると、どうやらルークの箱にも同じような物がプローチと台座で挟むように入っていたみたいだ。ルークもその手紙を開いているところだった。


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