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前世は猫でしたので  作者: KAE


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レオナールとウォルフの訪問  1

久しぶりにルークとクローディアの登場です。


ティナとランスロットがキンバリー領に到着した頃、ルークとクローディアもウォールヒル領に到着していた。

「おかえりなさいませ」と恭しくフランツとマリアに出迎えられた二人は笑いながら

「フランツ達に出迎えられるなんてなんか変な感じだな」とルークが笑って言えば、フランツは「慣れてください」とすまして返していた。


マリアは「お疲れではございませんか?お部屋を用意してありますよ。荷物は運び込ませましょう。サロンで休まれますか?」と二人に旅の労を労っていた。

ルークは何年かぶりに来た、クローディアは初めて来た領主邸の中を見ながら腕を組んでマリアの案内でサロンに向かった。


ルークとクローディアはティナとランスロットが結婚したひと月後に結婚した。

厳かではあるが、華やかな挙式だった。

クローディアの両親とルークの叔父夫妻がずっと泣いているのが印象的だった。

サザーランド子爵は大口取り引き先のノートン子爵がウォールヒル公爵と従兄弟同士と知って驚いていた。

ノートン子爵のジェラルドはチラッとティナの方を見てなにか言いたそうだったが、ランスロットと二人目を逸らして、話題がこちらに向くのを避けた。

そしてルーク達の結婚を機に屋敷の執事長をポールに引き継いでフランツとマリアは未だ落ち着かない領地の屋敷を取り仕切る為に領主邸にやってきた。


サロンに落ち着きフランツとマリアも誘って四人でテーブルを囲む。

「王都の屋敷にいるようだな。ふふ。落ち着く」と嬉しそうに話すルークをクローディアは微笑んで見ていた。

「奥様も本邸での生活は落ち着かれましたか?」とマリアに問われ

「やっと周りが見えてきた感じです。でもなんとか回るようになりました」


「そうでしたか。奥様のお顔の様子を拝見してお健やかだと知り安堵いたしました。ただ奥様。私どもに敬語は不要ですよ」


「あ。そうでした、すみ…ごめんなさい…ふふ」


「すっかり奥様らしくなられて、頼もしいですね…ルークさま」


「ディアは毎日頑張ってたよ」と今まで見たことのない笑顔でフランツとマリアに向かって言うと


「ルークさま。顔がニヤけておりますよ。くっくっ」とフランツが笑いを堪えて言っても


ルークは「うん、知ってる。自覚してるさ…」とポリポリと頬を掻く。


その様子を見てフランツとマリアは声をあげて笑いクローディアは恥ずかしくて両手で顔を隠した。


穏やかなウォールヒル家のティータイムであったが、そこに来客の知らせが来た。


既に皆、来客の事は承知していたので、応接室に向かうことにした。


ノックをして扉を開ける。

部屋に通されていた客人二人は立ち上がって四人を迎えた。


ルーク達四人は部屋に入り

「ようこそいらっしゃいました。私がルーク•アウルム•ウォールヒルです。こちらにいるのが妻のクローディア。後ろにいるのがこの屋敷を取り仕切っているフランツとマリアです」と全員の紹介をすると、それぞれ軽く礼をした。


すると「ご到着早々お邪魔してすみません。私、レオナール•ウッドと申します。こちらは同僚のウォルフ•ハイデです」


「ウォルフ•ハイデと申します。どうぞよろしくお願いいたします」

と二人は深々と頭を下げて挨拶した。


更に二人は「謝罪に伺うのが遅くなって大変申し訳ございません」と再び頭を下げたが、ルークはそれを止めた。


「頭をあげてください。私の方こそ、なかなか領地に帰れなくてお目にかかることもできなかった。申し訳なく思っています」


「いえ、そんな…」


「まずは、おかけになってください」と着席を促し、マリアにお茶のおかわりを指示した。


ルークとクローディアはレオナールとウォルフの前に並んで着席し、フランツはその後ろに控えた。


ルークが先に口を開く。

「まずは、両親が生前懇意にしていただいたこと、礼を言います」


「いえ、そんな恐れ多い…助けていただいていたのは私たちの方です」


レオナールとウォルフは地質学者だった。しかし、地味な学問で後援者が見つからず、困っていた時、先代が手を差し伸べてくれた経緯があった。

その事をバーネットが利用して〈ウォールヒル侯爵が困っているから〉と騙す形で横穴を掘らせた。

問題のある場所だったので、時折り坑内に入り、坑道の調査をしていたから、日誌の名簿にも名前が載ることになった。

事件を知り、国の取り調べに全て話し、自分達がやったことは恩人を裏切る行為だと初めて知った。後になって、どんな方法でも侯爵本人に確認を取るべきだった。と後悔しても遅かった。


全てが終わってから、ウォールヒル公爵宛に詫び状を送った。

公爵からは〈あなた達の立場でバーネットを避けることはできなかったでしょう。全ての責任はバーネットにあるので気にすることはない。国の取り調べに全てを話してくれた事に感謝している。あなた達を責める気持ちは全くない。後援も引き続き行うので学問は続けてほしい〉と返信が返ってきた時は二人共泣いた。


ルークは続けて「父は最後はあなた達を頼るようにメッセージを残してくれました。それほどあなた達を信じていたし、あなた達が騙されていることも理解していたようです。そして、あなた達の証言は大きく影響しました。もう終わったんです。そんな顔しないでください」


泣き始めたレオナールとウォルフをルークは慰めた。

そして引き続き学問を続けてほしいことと、定期的に領内にある二つの鉱山の地質調査を依頼した。

必要ならウォールヒル領に移住してほしいとも伝えた。


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