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リアライズ - ReArize  作者: 天鬼 創月
1話「闇を払う、遠く遠い、あなたのために」
16/19

16 - 指を絞るのに必要なもの

※イラストは特に表記が無ければ全て天鬼作のイラストとなっています。

リアライズ辞典wikiがあります、もし良ければご利用ください。

https://rearizedictionary.miraheze.org/wiki/%E7%94%A8%E8%AA%9E%E9%9B%86

  ◇



砂塵など、煙が上がっている場所では、光が通りにくいように、光線も通りにくくなっている。

昊菟(こうと)はそれを知っていた。


その上、濡れた体の自分なら、誰よりも軽症になると思ったのだ。


光線銃をどれだけ連射出来るかはわからなかったが、昊菟(こうと)ならまず砂塵の中でも光って当てやすい月守(つきもり)を狙うとふんだ。


だから、創樹(そうじゅ)を光源から蹴落とし、月守(つきもり)をかばっていたのだった。


研究所の全ての人の目線が、少年少女に釘付けだった。


――月守(つきもり)に背中を押されて、歩みを進める。

その手に、拳銃を握って。


元凶の元にたどり着いた。

崩れた屋上から落ちてきた伊吹は、折れた腕で銃を探し出し、その壊れた銃で昊菟(こうと)に何度も引き金を引いた。


「ひっひっ……く、くそ、超能力者が! この!! このおおオォ!」


息も絶え絶え、昊菟(こうと)は、背中の火傷の痛みで朦朧としていた。

その余裕の無さから、取り繕う事を忘れた冷徹な目で、伊吹を貫く。


「憎いのか、俺たちが。

 俺たちは、お前に何もしてないだろう」


「いや……お前たちは秩序を乱す!

 平穏を、罪のない人々が作り上げた平和をぶち壊していく!!


 何度も何度も何度も何度も何度も何度も逮捕しても!

 いつもいつもいつもいつもいつもいつも証拠不十分で大陸送りだ!

 ふざけやがって! 証拠なしに悪事を働ける悪魔どもがッ!

 そこの女だって、いずれ気に食わない事があれば、その能力で人を貶めて殺して、自分の望みの為に命を奪うんだッ!!」


昊菟(こうと)の目線が鋭くなる。

何も知らずに、昊菟(こうと)の身を案じてくれた月守(つきもり)の事を嘯く。

だが、彼に何を言ったところで、彼の認識は変わらないのだろう。

彼と手を繋ぐ事は出来ない。

他者を救おうと働いた月守(つきもり)を認めない彼を、昊菟(こうと)は受け入れられない。


 彼を慮ることで、隣の少女が傷つく道理はない。

 これから彼と関わる者が無意味に殺される事はありえない。


そう思った。

まさに、いまここで、自らの望みのために、人を殺す決心をした男がいた。


「大陸なら私刑の法律がゆるいからなあ……!

 お前らを……っ殺した事がバレたところでっ……!

 俺は軽犯罪で済むんだ……!

 はははっ……残念だったなぁ……!

 っちい! ポンコツがっ!」


よろよろとバッテリーを確認しては引き金を引くが、なんど引いてもうんともすんとも言わない。

ガツガツと音がするほど強く力んでも、水晶銃は発射出来ないようだった。


「……そうだな。

 だが、今裁くのは、俺だ、伊吹。

 ノーマークだったか?

 俺は……荒木(あらき)創樹(そうじゅ)の調査協力者だ。

 俺も同じく、ムー大陸体制下の法律に置いて、裁かれぬ立場」


昊菟(こうと)は拳銃を向けた。


「そうやって屍を作って……お前たちは私欲を肥やすのだろうがこのクソ野郎がぁぁあああああ!!!」


「……不条理を、作ってきたのは。

 あんたら国家も、同じだろ……?


 お前たちは、俺の友達を誰も助けなかった。

 今更、俺たち一般人が不条理を持ち込んだら、そんなに喚き散らすのか?」


昊菟(こうと)は、引き金に指をかける。

この業を背負うことを想像し、後悔しないかと自らに問いかけている。


月守(つきもり)は、会話を聞いてか、昊菟(こうと)の拳銃を持った手に手を伸ばした。


昊菟(こうと)は、やはり引き止められるのかと、無気力にそれを眺める。

だが、その手は、昊菟(こうと)の拳銃を持つ手を、優しく包むだけだった。

共に、拳銃を構えていた。


「違う! 違う違う! 違うだろぉが!

 お前たちは無秩序に自分の欲望を叶えているだけだ!

 平穏だった世界を、混沌とした世界にしているだけだ!

 自分たちの都合で!!

 ルールを守って、努力すれば、世界はよくなるはずだったろぉがああぁ!

 力による現状変化なんて、認めねえぞこの蛮族がぁ!」


「違う、貴方がしていることは……憂さ晴らしだ。

 決して、秩序を守ってなんかない」

挿絵(By みてみん)

月守(つきもり)の静かで、力強い声。

決して、伊吹には届かなかっただろう。

それは、伊吹に言ったのではなく。

銃を構えて苦しんでいる少年に向け、寄り添う言葉だったのかもしれない。



撃鉄の音が響く。


――火薬の匂いが流れてくる。

誰も、声を発する者は居なかった。


語るのは、硝煙の煙のみ。

その銃口から上がる煙は、荒木(あらき)創樹(そうじゅ)が壊れた両手で構えた銃から出ていた――。


  ◇

【魔法 - 原初の爆発(ビッグバン)

ビックバン。

宇宙誕生の爆発にちなんで名付けられた魔法。

ただただデタラメな衝撃を発生させる魔法で、純粋な威力のみで魔力が消耗される。

使用する魔力量でいくらでも弱くなるが、作成者は自身の魔力の大部分を使っても威力の上限を見なかったので、このような横行な名前になった。

その後、他の魔法使いによって最大火力が判明され、街一つを壊せる程のクレーターが出来るものだと判明した。

今回創樹(そうじゅ)が使ったのは、フルスペックの3%程。

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