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虫籠★

※イラスト微グロ注意

何が描かれているかはサブタイトルでお察しください



 扉の外に出たオレは再び殺風景な一本道を歩きだす。

 しかし、今度は隠密行動をする必要が無いので随分気が楽だ。今いる集団の中で役割が与えれれていること、即ち身分があるということは、こんなにもストレスを減らすものだということを、改めて実感したね。

 だから、様々なことを考える余裕があった。


 マーグが言った『導師』というのが、王国の言う『魔法使い』なのは、ほぼ間違いが無いだろう。

 しかし、その導師を神格化しているのは『一部のヤツら』だとヤツは言った。そして、その口ぶりから察するにマーグは別に導師を崇めてはいない。

 注目すべきは、マーグは巫女の部下であるということだ。巫女が導師のアシスタントなら、マーグからみても導師は上長であるはず。そのマーグが導師に敬意を持って無いのだとしたら、随分自由な社会組織だと言える。

 王国情報では、ここは魔法使い(導師)を頂点とする反社会組織のようなイメージだったが、実際はそれほど一枚岩では無いのかもしれない。

 

 そんなことを考えながら歩いていると、目的地の扉が見えてきた。

 やはり、この道は、つづら折りになりながら徐々に下っているようだ。そして、独特の臭気は一層強くなる。やはり、この道はこの異臭対策で作られているのだろう。


 初めに感じた時は堆肥のようなと感じたが、臭いが濃くなるとまた別の印象を受ける。

 なんというか・・・子供の頃に虫を飼っていた時の、虫籠の臭いを思い出す。


 いつもなら、もう少し警戒する所なのだが、この時のオレは、躊躇なくカギを取り出し、扉を開けた。

 非常に簡素な物理的なカギだったので少し拍子抜けしたよ。鉄人形(アイアンゴーレム)や、昏睡剣(スタンブレード)を見た後なので、なにか派手な魔法的ギミックが発動し、開錠されるのかと思っていたからな。


 それはともかく、扉を開けると、だだっ広い部屋に出た。そして虫籠臭が一層キツくなる。

 部屋の形は楕円形。ちょっとした運動場のような広さがあるので周回は200mぐらいありそうだ。

 しかし、運動場と違うのは、部屋の中央にはガラクタの山が出来ており、その周囲を柵で囲っている。

 その柵は有刺鉄線が巻かれ、所々『進入禁止』の張り紙がある。


 どうやらここはゴミ捨て場のようだ。

 

 そこには廃材やら壊れた家具、紙類、布類に混ざってまだ使えそうな剣等の武具もいくつか見える。オレはもう少し物色しようかと柵の近くまで行き、一歩後ずさった。

 ゴミの山で何かが動いたからだ。


 そしてオレは、ここに来る時の道案内を思い出した。


 そこには『騎士の街』と書かれており、その『騎士』の下にカッコ書きで『ウジ虫』と落書きされていた。

 その『ウジ虫』が目の前にいる。


 しかも、そいつは牛ほどの大きさがあった。

 

挿絵(By みてみん)

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