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S-EXの15人

シルバの生死問わず、今ジュンがしなければならないことは!

『マッチングアプリ』で検索検索ゥ!!!!!!!!

「更にもう一つ、シルバが生きていた場合の話だが、」


ランセの言葉にロッソが思わずツッコむ。


「どっちやねん!!さんざジュンちゃん怒らせといて」

「ランセ、シルバは死んでると思うと言った、ブラン、イミフ」

「じゃかあしい二人とも。いいか、シルバが生きていた場合、それはそれで、S-EXランクの人材が必要になってくる」


ランセの言葉を引き継ぐように俺は言う。


「シルバ救出のために」

「その通りだ。だが、時間はないと思った方がいい。仮にあのヨシモルトの外務次官の言っていたことが本当で、シルバがまだ生きていたとしても、1か月後、ギルドが最終決定をする時も生きているとは限らない。精神的にも肉体的にも、そんな拷問が続いたらどんな人間だって普通は死んじまう。そして奴等は、シルバが死のうが、それをひた隠しにして取引は進めるだろうぜ」

「さっきも言うてたけど、人質死んだらそんなん取引じゃないやん!」


ガオオ!と思わず唸るロッソ。


「ああ、だからこれは取引じゃなく、奴等からしたらただの降伏勧告なんだ。悠長にああだこうだ言ってる場合でもないし、シルバを想って泣いてる場合でもない」


ランセが俺を見た。俺はようやくランセの真意がわかった。


「ウィズ、『S-EXランク』のスキル持ちを検索してくれ」


ピンク色のスライムのような姿かたちをしたウィズがにょきっと現れた。


――承知しました。早速とりかかりましょう。


心なしか、ウィズの声が弾んで聞こえた。


********************************


シーラ・イェーガー

固有スキル『惨事前の道化師(イェーガーチャンネル)』(ランク:S-EX)

未来を視るスキル


アイン・ダフェンダー

固有スキル『常識への叛逆者(バカナトノサマ)』(ランク:S-EX)

不可能を可能にするスキル


ネージュ・スパーダ

固有スキル『無限地獄』(ランク:S-EX)

時の流れを無視した空間を創り出すスキル


カイナス・マップレイプ

固有スキル『此世で一輪のみ咲く花(スマジエストスマイル)』(ランク:S-EX)

雷を操るスキル


ダッシュ・アームストロング

固有スキル『時を(タイム)待つ(ウェイトフォー)(ノーワン)』(ランク:S-EX)

時を止めるスキル


ヒトシ・ムアッツモッサム

固有スキル『繁華街の人気者(チェアマン)』(ランク:S-EX)

人を笑顔にするスキル


ロコ・ドータ

固有スキル『新解釈フェアツェルング』(ランク:S-EX)

既存のスキルを新たに創り直すスキル


ロミオ・スターフィールド

固有スキル『漫画町イリーガルブックストア』(ランク:S-EX)

他人の固有スキルをコピーするスキル


ライハン・コーンプ

固有スキル『国を分かつ一太刀(グールナイト)』(ランク:S-EX)

死体を操るスキル


ジンナイ・ニューウェイヴ

固有スキル『倫理皆無の暇潰し(ジゴクミミ)』(ランク:S-EX)

対象の声を盗聴するスキル


エコール・フォレアミー

固有スキル『改竄デウス・エクス・マキナ』(ランク:S-EX)

全てのステータスを書き換えることが出来るスキル


タマキン・ユーウィ・チロー

固有スキル『大食代行モームリ』(ランク:S-EX)

食べた相手の固有スキル以外のステータスを吸収するスキル


ゼンゼ・スパクール

固有スキル『君たちの名は(レッテル)』(ランク:S-EX)

分相応の固有スキルを一時的に授ける能力


ユーゴ

固有スキル『融合』(ランク:S-EX)

有機物、無機物問わず融合させることができるスキル


モーヴ・プルプルヌイ

固有スキル『悪神出鬼没トリックスター』(ランク:S-EX)

空間転移ができるスキル



********************************


流石はS-EXランクの、超希少チートスキル。人数は少なく、更には簡易検索をかけたため、ものの2分とかからず、『マッチングアプリ』での検索は完了した。

そして自分以外の、ウィズの検索にひっかかった15人の名前と固有スキルを羊皮紙に書き写した俺は、みんなに情報を共有した。


「ブラン、びっくり。本当に実在するのか?」

「自分で言っといて、にわかには信じがたいが、いるんだとしたら、恐ろしいスキル持ちがいたもんだ」

「そうでもないやつもおるけどな。最初の未来を視るスキルのこいつ、ギルドのリュマと大して変わらんやん」

「たしかに。この、チェアマンというスキルもショボい」

「そいつらはどうでもいい。どーすんだジュン。どいつを仲間にしてえ?」



俺は、羊皮紙に並んだ名前を吟味し、数人の名前に丸をつけた。



不可能を可能にするスキルを持つアイン、

時を止めるスキルを持つダッシュ、

既存のスキルを創り直すというロコ、

他人のスキルをコピーできるロミオ、

盗聴スキルのジンナイ、

全てのステータス書き換え能力のエコール、

そして。

モーヴ・プルプルヌイの7人。


「ちょ!!!!!なんでやジュンちゃん!!!!いくらジュンちゃんでも流石にツッコませてもらうわ!このモーヴってのは、あのモーヴやろ!?」

「ん?ブラン、わからん。どのモーヴだ?」

「ええかブラン!モーヴ・プルプルヌイは、ジュンちゃんの実家、キャンデーラ国の国民みんなを奴隷として買い漁っているクソったれ巨人族のクソトップや!」

「ぬぅ!?ジュン、なぜ!?」


ロッソとブランがいきり立つのを俺はなだめた。


「固有スキル『悪神出鬼没トリックスター』は、シルバさん救出の為には絶対に必要な能力だから」

「それだけでなん!?」

「勿論それだけじゃない。モーヴを仲間に出来たら、キャンデーラの人たちを救うことも出来る」


俺の言葉を聞いて、腕を組んで様子を見ていたランセが、ジュン、と声をかけてきた。


「勝算があるんだな?」

「うん。すぐに巨人の国、ヨミゥーリに行こう、と言いたいところだけど、」


俺は悩んでいた。さっきのランセの話じゃないが、仮にシルバさんが生きているとしたら、一刻の猶予もない。S-EXランクのスキル持ちに会いに行くにしても、順番が凄い大事だ。

「誰から行くべきか、悩んでんだな?」とランセが言う。

「そう。ランセはどう思う?」

「そうさな、気になるのはこいつだ。固有スキル『常識への叛逆者』のアイン・ダフェンダー。この、不可能を可能にする能力。俺たちの想像通りのスキルだとしたら、こいつぁ、死んだ人間を生き返らせる、あるいは、捕まっている人間をここに空間転移させることも出来るかもしれねえ」


俺は頷いた。そう、まさに俺も同じことを考えていた。

生きていると信じてモーヴのいるヨミゥーリに直進し、最短で救出に向かうか、このアインに会いに行くべきか。


「ウィズ。アイン・ダフェンダーの詳細なプロフィールを映して」


――承知いたしました。


+++++++++++++++++++++++++++++++++++

アイン・ダフェンダー(70) 侍の国シムラ出身


職業:国王


169㎝


自己紹介文


はじめましてじゃの~。わしはの、シムラ出身、というか、このシムラ国の国王じゃ。元々はの、国王ビルクチの従者じゃったんじゃが、数々の武功を上げ、気づけば王位を禅譲され、国王になったんじゃ。わが国では、国王のことは、殿と呼ぶ。ゆえに、わしのことは、殿と呼んでくれたら、うれしぃ~なぁ。

ココだけの話な、わしが殿様になれたのは、わしのスキルに他ならん。不可能を可能にする固有スキルで、敵の大将の背後に空間転移して奇襲みたいな奇跡的勝利を数打って、絶対にありえない王位禅譲も実現したんじゃ。

じゃがの、野心ではない。国を誰よりも愛しているからゆえじゃ。わしはこの生まれ故郷、シムラだけは幸せがずう~~~~~っと続けばいいと思ってた。じゃから、死んだじいさんばあさんは次の日には生き返らせたし、きれいなねえちゃんたちはずっと年を取らないようにした(笑)

他国と外交せずとも飯も金もある。シムラの豊かさに惹かれて、人は勿論、動物もたくさん集まっての、動物園も開園させた。チンパンジーのパムくんもしゃべれるようにして、ワシの家人にしておるよ(笑)うぇwうぇwうぇwうぇw


わしは悪人ではないが善人ではない。奴隷制などは敷かんが、率先して奴隷制に反対することもしない。それがきっかけで、シムラが敵対国家に襲われては困るからの。奴隷反対という信条を掲げて、滅ぼされてしまったキャンデーラを思うと哀れでならん。あの時ばかりは、わしも何かすべきだったのではないかと悔いたもんじゃ。じゃけどな、万が一大きな戦争となったとき、老齢で弱まったわしのスキルだけでは勝てぬかもしれん。そう思うと、いや、忘れよう。シムラの平和を守る、小さい幸せで、わしは十分じゃ。


ゴホッゴホッ。ちなみに、ちょっと流行り病にかかっちまって、おねえちゃんとはご無沙汰なんじゃよ~。快復したら、寝所に忍び込んで、うぇwうぇwうぇwうぇw


性格は穏やかなお調子者。身内第一主義、無欲ではないが強欲でもない、言うなれば中欲じゃな、おっぱいおっきいねえちゃんは大好きじゃがな(笑)


好きなものはおっぱいおっきいねえちゃん。家族、そして何よりシムラ国。嫌いなものは、争いとつまらんこと。


固有スキル『常識への叛逆者(バカナトノサマ)』(ランク:S-EX)

(不可能を可能にする)


剣術E 魔法SS 知力E 体力E




現状マッチング成立確率80%(アインさんは、あなたがキャンデーラの王子であると打ち明ければ、手を差し伸べなかった負い目から、きっと力になってくれるでしょう)


+++++++++++++++++++++++++++++++++++


「アインのプロフィール、見れたのか?」


ランセに対し、俺はグッと親指を立てた。


「アインは空間転移が出来て、死者も生き返らせられる!」


おお!!!!と騒ぐ3人。


「ウィズ、念のためなんだけど、侍の国シムラと巨人の国ヨミゥーリ。どっちが近い?」


――ジュンさんたちの平均移動速度を鑑みるに、侍の国シムラは2日、ヨミゥーリには5日かかります。


「よし!!!!!みんな、シムラの殿様に会いに行こう!!!!」


シムラ国の殿様に会う為、ついにジュン一行はギルド本拠を発つ!!!!

次回もぜひお楽しみに!!!!!

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