表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
卵料理と華胥の花  作者: 浅黄悠
3/12

流木/飛沫

「流木」


私の指は砂浜に打ち立てた流木


私の足は砂漠をゆく蠅


私の声は磁器の破片


私の骨は噂話


そんなものでかまわない


そんなものになれたならいい


大空を夢見てもこの体は変わらない


それなら取るに足らないものでいよう


きっと何者も意図して私を変えないだろう


風を見て君と視線を交わし、微笑んで離れていく




_____

「飛沫」


小さな滝が流れて

波の下を縫っていく

水を撒いた空には夾竹桃の花が透けた

虹をうたい眠りに涼み

入り江の端まで泳げば

砂糖と洋酒が溶け合って

蔦が洋館の門から溢れ出す

やがて全て眩んで薄くなって

岩礁の音が耳を貫き泡になった

沖の帆船がひとつ 空の星がひとつ


むかし

草の穂が揺れる浅瀬がありました

狐は海の向こうに跳ねてしまって

砂も花も人も飛沫も幸福なまま

待ち人と夜を忘れてしまいました

そういった場所で水の膜を撒いたなら

その向こうにゆらぐあなたの影を見ることができる


それだけの話なのですが


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ