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天窓(25.01.11)
もしも
もしも僕がすべての朝を愛せるようなことになったら
ミルクを一杯のみ
すべての窓辺にエメラルド色の朝がくることをねがって
倒錯に別れをつげるだろう
はじまる自動演奏
パラコードの生長
危急も泡沫
僕のあずかり知らぬ永遠
僕は舞台裏の椅子だった
丸テーブルと 花が活けられたことのない花瓶と
防音ガラスのむこうの雲をみていた
タイルのひんやりした冷たさと
数多の名曲がよこぎる気配にめぐまれながらも
動けぬまま
おなじ動けぬものなら
たとえばフランスの風をひく天窓になりたい
言ってみるだけなら自由だ
厄介事をみんなつれていけば
より美しくなるだろうと思えた