表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

博士と助手シリーズ

食いしん坊な博士と助手の話

作者: 御厨カイト


「あのー……、博士?ここにあったクッキーは何処にやったんですか?」


僕と博士しかいない研究室では、今日は僕のそんな声が響く。


「えっと……、た、食べちゃった。」


「はっ……?いやいやいやいや、30~40枚ぐらいあったと思うんですけど?」


「ぜ、全部、食べちゃった……」


僕は空っぽの箱を手に持ちながら、呆気にとられる。


「全部?……頭がおかしいんじゃないんですか?そんな直ぐに博士の胃袋に収めてもらいたくて差し入れをしたわけじゃないんですけど。」


「あ、うん、ごめん……」


「結構アレ、作るの大変だったんですけど。」


「はい、すいません……」


「はぁー、まぁ、いいですけどね。美味しかったですか?」


「うん!すごく美味しかったよ!」


「それなら良いんですけど。まぁ、博士のお菓子好きは知っていますけど、まさかこれほどとは……、うん?」


「どうしたんだい?」


「いや、博士、こんなにお菓子を食べるペース速かったでしたっけ。今まで食べるとしてもクッキーとは1日に10枚ぐらいだった気が……。」


「……」


「……もしかして、何か具合でも悪かったんですか?」


「えっ?」


「いや、ここまでおかしいと博士の体に何かあったんじゃないかと思って。で?どうなんですか?」


「……えっと……、今回のはただ単に……、嬉しかったから、食べすぎちゃって……。」


「えっ?なんて言いました?」


「……だ、だから、……、珍しく君の手作り、だったか…ら……」


「……博士、そんな弁明するように言わなくていいんですよ。よく聞こえないのでもう少し大きな声で言ってください。」


「……もうっ!ただ単に君が作ったクッキーが美味しかっただけだよ!」


「な、なんで、そんなに怒ったように言うんですか。」


「ふん、君なんか知らない!」


「はぁ、面倒くさい人だなぁ。と言うかそんなに食べすぎるほど美味しかったんですか?」


「そりゃあもう、美味しかったよ。」


「……それなら、また作ってきましょうか?」


「えっ!本当かい!?」


「えぇ、ですが次回は1日で全部食べないでくださいよ。」


「分かってるって!いやー、嬉しいな!」


そうして、僕はコロコロと感情が変わる博士に「はぁ」と少しため息をつきながら、実験の続きをしていくのだった。

皆さんこんにちわ 御厨カイトです。

今回は「食いしん坊な博士と助手の話」を読んでいただきありがとうございます。


読んで「面白い」とか思っていただけたら、感想とか評価のほどよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ