1/18
プロローグ
※このプロローグに主人公は一切出てきません。
ある日、水球と云われる惑星の遥か上空から一つ、とても小さな種が空気の抵抗を受けながらゆっくりと落ちてくる。そしてその種は
ポチャン
と、水球全体に広がる海洋に落ちた。種は辺りの海水を吸収して、みるみる成長した。やがてそれは大樹となり、人々はこの木を『ボダイジュ』と呼んだ。
ボダイジュの種が水球に落ちてから1000年の歳月が流れた。今度はある国の遥か上空から二つのとても小さな物体が雲をすり抜け、ゆっくりとひらひら落ちてきた。一つは大きな木の上に、もう一つは……。