屋上での出来事
ちょっと短いかもしれません。すみません。
なんで屋上なのかな。
わざわざ屋上にするってことはそれなりに大事な話なのか?
俺はこっそりと屋上の扉を開けた。
「あ、来てくれたんですね。佐久間さん」
「あ、ああ」
うわ〜いつ見ても可愛い。
ってダメダメ。女は信用してはダメだ。
また裏切られる。
「そ、その今朝は助けてくれてありがとうございました!そのおかげで無事に新入生代表の挨拶も出来ました」
「そ、そうか。それは良かったな。で、要件はなんだ?」
「そ、その〜」
いきなりモジモジし始めた。
なんだなんだ?
なにか言いづらいこととかあるのか?
「コホンコホン。佐久間さん!」
「な、なんだ?」
「お礼をさせてください!」
「お、お礼!?なんでまたそんなことを」
「今朝私を助けてくましたね」
「あ、ああ。それがどうした?」
「さっきも言いましたけど助けてくれなかったら私、新入生代表なのに遅れて来てしまうところでした。なのでお礼をさせてください!」
おいおいまじかよ。
お礼とかされたら『なんであいつが新入生代表の子と一緒に』とか言われてボコボコにされたくないんだが。
「お礼はしなくていいよ。ぶつかった俺も悪いし」
「いえ、お礼をさせてください!」
「だからお礼はいいって」
「いえ、お礼をさせてください!」
「ホントに大丈夫だって」
「いえ、お礼をさせてください!」
ってこいつ!さっきから同じことしかしゃっべってないじゃねえか
「佐久間さんは私が嫌いなんですか?」
おいおい。話が全然関係ないことになってるぞ。
「別に嫌いじゃないけど、」
「じゃあ問題ないですね!」
「なにが問題ないですねだ!」
こいつ早く諦めねえかな。
あ、そうだ!
「おい」
「な、なんですか?」
「別にお礼とかいらないから。だからもう俺に関わってくるな。」
こいつと関わるから面倒なことになるんだ。
だから関わりを消せばなんとかなる。
「か、関わってくるななんて。そんなっ!」
「俺が言いたいことはそれだけだ。じゃあな」
「あ、待ってください!!」
俺はその声を無視して屋上から出ていった。
やっぱり助けたのは間違ったな。
可愛いやつほど騙してくるからな。
俺は静かに高校を過ごせたらいいんだよ。