悪役令嬢に転生したようですが関係ありませんわ。必ずやこの拳で乙女ゲームの世界を制覇してみせましょう!
いずれは連載版を書きたい物語です。
しかしナーロッパの常識を私は詳しく知らない。
教えてくださる方、募集中(ぇ
そして登場人物の容姿は……ご想像にお任せいたします(ぇ
そして茂木さん、ちはやさん、イラストをありがとうございます<(_ _)>
さらには一本梅ののさん、漫画をありがとうございます<(_ _)>
そしてそして楠木結衣さん!!
タイトルバナーをありがとうございます!!
さらにさらにちはやれいめいさん!!
麗しいジュリアのバナーありがとうございます!!
「ジュリア……私は、かつて君と交わした……あの条件付きの婚約を破棄するッ」
この台詞が、夜の舞踏会辺りで放たれた台詞であれば……普通の悪役令嬢ものとしてはありがちなモノであろう。
ついでに言えば、悪役令嬢へと、本命のヒロインをイジメた証拠と共に……多くの貴族が見ている中で非常識にも突きつけ、あとはヒロインとハッピーエンド……そんな、普通ならありえねー展開だったならば、な。
しかし現在。
そんな、ゲームの世界においてはありがちな展開から……………………道筋は、大きく逸脱している。
何の因果か、ファンタジー系乙女ゲーム『虹色クロニクル』に似た世界観の異世界へと……俗に言う悪役令嬢こと、ジュリア・イーグルハイムに転生する形で来てしまったこの俺が、幼少時に目の前の王子と婚約するくだりで、思わず婚約を承諾してしまった……その瞬間に思い出した、十数年後に訪れる破滅を回避すべく、前世の記憶をロクに思い出していない状態で、咄嗟に『こ、このワテクシと同じ事ができたらですけどね!』と言いつつリンゴを両手で挟んでグシャリと潰してみせた…………あの時から。
※
前世において、俺は……プロレスラーだった。
戦績はそれなりに優秀。そして自慢ではないが、幼少時に近所で流行った怪しい新興宗教にハマった連中の目を……主に、同じくハマってしまった、友人の母親の目を覚まさせるため。子供の身でありながら、その身一つで、筋力だけで、教祖が起こした奇跡を全て再現する事で神秘性を否定し……その新興宗教を事実上の壊滅に追い込んだ事があるほど。
小さい頃から筋肉が。
そして筋力が凄かった。
あとついでに。
俺は自分で言うのもなんだが……己の力(筋力含む)で解決できる厄介事であるならば、それに進んで首を突っ込むお人好しで、そして転生する前……俺はイジメに遭い引き籠ってしまった従妹を部屋から出すために、従妹の趣味――乙女ゲームとやらを通して歩み寄り、なんとか彼女を家から出す事に成功した。
だが俺は、従妹の家から歩いて数分の所にある交差点で……トラックに撥ねられ死んだ。最初は従妹に突っ込んできそうであったトラックに。従妹を庇う形でだ。
※
そして俺は、どういうワケだか従妹がプレイしていた……そして俺も……従妹と交流するためにプレイした『虹色クロニクル』に似た世界へ、悪役令嬢という役割を押しつけられた公爵令嬢ジュリアに転生する形でやってきた。
なんでかは知らん。
転生前に誰かの舌打ちが聞こえた気がするが…………フッ、いずれ会ったら覚悟していろ舌打ちしたヤツめ。
※
それはともかく。
転生した事実を自覚し始めた時に王子との婚約イベントが発生したワケだが……俺はその前、転生した事実を自覚する前……今思えばトラックに轢かれたその瞬間であろうシーンを夢で何度も何度も見て、怯えていた。
そしてこれは何か悪い事の前触れであると考え、魔法はもとより……それ以上に肉体を、成長が阻害されないよう注意しつつ鍛え上げ。
さっきも言ったが、
リンゴを潰せるようになった。
さすがに、どこぞの海外出身のレスラーのように、片手で握り潰すのは……幼少時だったので無理ではあったが、それでも当時の王子にとってそれは衝撃的で(当たり前だ)それ以来、彼は俺と婚約するために日々……肉体を鍛え続けたようだ。
※
そして、今に至る。
目の前にいる王子は……まるで、俺の前世の世界における空手家の道着に似た装束を着ている。
そして、王子のガタイが……まるで芸術作品の如き黄金比率と言っても過言ではないレヴェルの筋肉質であるため、どこぞの街ファイターのキャラの一人のような印象を受ける。
対する俺は……前世と同じくレスリングウェアを。
無論、今の俺は淑女なので、ちゃんとヘソも隠せるタイプのだ。
だが俺のガタイも……自分で言うのもなんだが同性の中ではダントツで良い上にピッチピチのウェアであるため、黄金比率な筋肉がハッキリと分かる。
うぅむ。体のラインが出ないウェアを開発すべきか。
今度、そういう服を作れないか…………メイド辺りに訊いてみよう。
ちなみに場所は、舞踏会の会場ではない。
俺の強さを日々追いかける王子が……拳帝とあだ名で呼ばれるようになった王子が建造を指示し、こうして今日お目にかかれるようになった武闘会の会場――古代ローマのコロッセオを彷彿させる会場のど真ん中だ。
そこで俺は。
決勝戦の相手としてついに王子と対峙し……なぜか条件付きの婚約の破棄を宣言されたというワケだ。
どういう事だ。
まさかここに来て……運命の修正力と呼ぶべきモノが発動したとでも言うのか。
まぁ確かに。
まるで元々の道筋へと戻さんとするかのような強引な出来事が今までもあったりした。
酷い時には、神の使いを自称する怪人が、何度も俺を殺しに来た事も……もしかすると連中が、また何かをしたとでも……?
だが同じく転生者で、王子が惚れた女であるヒロイン・ユリンは……俺の事情を知って以来、俺に協力してくれている。最初は俺を敵視し、そして現実とゲームをゴッチャにしていたが、話せば分かってくれる常識人な転生者だ。なので婚約破棄をさせるにしても、今のような、貴族だけでなく平民も集うイベントでするという非常識な行動を王子にさせるとは思えぬ。
一応、VIP席にいるそのユリンへと視線だけを向ける。
すると彼女は、顔を青くし、三半規管がおかしくならないかと心配になるくらい物凄い勢いで首を左右に振った……どうやら彼女にとっても想定外の事態らしい。
なら、いったい何が起こっている?
「だからジュリア……これからは、私の良き戦友であってほしい」
「ッッッッ!? 殿下、それは……?」
なん、だと……?
まさか、いつの間にやら王子は……俺を異性としてではなく、戦友として好きになっていたのかッッッッ!?!?
中身が男である俺としては、それは嬉しい事だが……いったいなぜだ?
「私は、君の強さを追い続けていて……気づいたんだ」
そして王子は、改めて、全てを話してくれた。
「そもそも王を支える女性=后という図式は正しくないんじゃないかと。ジュリアのように……強き女性が。そしてユリンのように、賢き女性が。私などが知らないだけでまだまだたくさんこの世にはいるかもしれないと。ならば、必ずしも王の隣で王を支えるべき女性は、后である必要性はない。その才覚さえあるのならば……女性が宰相として、王を支えるというのもアリだと……私は気づいたんだ。いや、ユリンに関しては個人的に后になってもらいたいが……とにかくこれからは、私の良き戦友であってほしいッッッッ!!!! そして、もし良ければ……将来的に君には、この国の騎士団に入団していただきたいッッッッ!!!! 無論、君が活躍できるように無手専門の部隊も作るつもりだッッッッ!!!!」
「フッ、なるほど」
俺は不敵な笑みを見せながら、王子に言った。
「殿下という、良き理解者に出会えて……ワテクシは幸せですわ」
今世での口調で。
俺なりの、最大級の感謝の言葉を。
すると、その瞬間。
観客全員が…………沸いた。
そしてそれは、俺と王子のこれからを祝福する…………心地良い風となった。
「そして最後に、ジュリア。戦友として……頼みがある」
「何でございましょう、殿下?」
観客の心地良い声で心が震えていた、その時。
王子の改まっての言葉を聞き……俺は訊いた。
すると、王子は。
かつて俺がリンゴを潰したのを見た時……大泣きした王子は。
今や肉体を極限まで鍛え上げ、心身共に逞しくなられた王子は……。
「私と、全力で勝負をしてくれ」
「フッ、言われるまでもありませんわッッッッ」
そして、俺達は。
審判の掛け声と同時に…………………………闘場の中央で、激突した。
ユリン「じゅ、ジュリアさんの中身が男性だと考えると、王子のあのセリフは……はぅうう!! な、なんだかイケナイ扉が開きそうだよぉ!!!!」(〃ノωノ)
そしてそして!!
ちはやれいめいさんより新たにジュリアのイラストをいただきました!!
ちはやさん、ありがとうございます!!
さらに!!
ちはやれいめいさんから!!
なんとハロウィン仕様のジュリアが!!
ちはやさん、ありがとうございます!!
そして!!
一本梅ののさんに漫画にしていただきました!?
ののさん、この度は漫画をありがとうございます!!
結衣さん、この度はタイトルバナーをありがとうございました!!
ちはやれいめいさん、ジュリアの年賀状ありがとうございます( ´∀` )