テンプレヒーロー!
ブックマークして頂いた方、ありがとうございます。寝る時間を削っちゃいました(笑)
「離してくださいー!!」
ああ、暴漢に捕まってる美少女を助けるシチュエーション。そこに颯爽と現れぶちのめしフラグを立てる。そういうチャンスなのに、羽交い締めにされてる僕…
「うひょっ!いい眺めだな!ふっとい乳しやがって!」
モヒカンAが、手をわきわきしてる。揉まれてたまるか!僕ですらまだ揉んでないのに!違うって。
「そこまでだ!悪党!その子を離すんだ!!」
夕方やってた、再放送のアニメの主人公の様な声が響き渡る。
長いサラサラな金髪に、180㎝は超えてる身長。革の部分鎧に長剣を背負っている。
キラッ
微笑みの中に白い歯が光る。
「きもっ!」
ついつい口走る。ちょっと、金髪くんの表情がかげったけど、すぐに立ち直った。
「なんだぁ!兄ちゃん!関係ないやつは引っ込んでな!」
モヒカンBが凄む。あのー、あなた達も僕とは無関係なんですけど…
「痛い目にあいたくないなら、彼女を離して消えろ!」
「やっちまえ!!」
僕を羽交い締めにしてる、モヒカンCが叫ぶ。
モヒカンAが、殴りかかる。それをかわし、殴りとばした。Bが殴りかかるのをかわしたが、膝蹴りをくらい、くの字に折れ曲がりながら、口からなんか垂れながしてる。それでも持ちこたえ、Bを蹴りとばした。
「うっ!」
Cが僕を地面に突き倒した。顔を上げると、金髪くんは、モヒカンズに囲まれてた。Cの蹴りをまともにくらい、崩れ落ちる。あとは、三人から、がしがし蹴られてる。
「今だ!逃げろ!!」
金髪さんが叫ぶが、どうも足を捻ったみたいで立ち上がれない。
モヒカンズが僕に気を向けた隙をついて、一人の足を取って押し倒し、馬乗りになって、がんがん頭突きを食らわせた。他の2人に蹴られながら。一人は伸びたけど、後ろから、首に腕を回される。
「ギャッ!」
モヒカンが悲鳴をあげる、腕に噛みつかれてる!そのうでをたぐり、逆に首を絞める。ラストモヒカンが容赦なく蹴るけど、怯まない。二人目を伸ばすと、また、三人目の足を取り、倒し、馬乗りになる。子供の喧嘩みたいに、上から殴り頭突きで、動かなくなった。
「おじょうひゃん!おへばはありましぇんか?」
口からは、よだれをたらし、髪はぼさぼさ、端正だった顔はボコボコ。けど、僕はきもいって言ったのは、悪かったと思った。
「…ありがとう…」
金髪さんが出した手を、僕はつかんだ。
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