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転生に美少女はつきもの

「起きて〜。まだ寝ないで〜。」


金髪の美少女が俺の目の前にいる。

髪は肩よりちょっと長いくらいだろうか。目は透明感のあるブルーで、キラキラしている。


白髭おじさんが去っていったあと、俺は眠っていたらしかった。硬い床の上で寝たので、体があちこち痛い。


「俺、どれぐらい寝てた?」

「ううん、そんなに寝てないと思うよ。私が来るまでのちょっとの間だけだよ。」


ああ、よかった。ここがどこだかわからないのに、長い間寝てたら何があるかわかったもんじゃない。

ところで、この女の子は…


「あ、わかった?私がセラだよ。」


えっ。なんで考えてることがわかったんだ…。


「まあまあ、起きて。ここじゃなんだし、移動しようよ。」

「あ、ああ。」


最初にいた円い部屋を出て、長い廊下を歩きながら言われた。


「えっと、私セラって言います。私この国で一番頭がいいんだ!」

「ん?」

「さっきの話聞いたよ。君も頭がいいんだね。」

「ああ、さっきの…」

「答え合わせをするとね、半分正解って感じ。あ、ここ入って。」


部屋に入ると、大量の本棚が目に入った。

さっきの円い部屋ほどではないが、とても広い。しかし本と紙で散らかっている。


「私の部屋でーす。ソファ座って。お茶どうぞ。書類は適当に端っこに寄せてね。」


本を押しのけ、座るところがないソファに座り、渡されたお茶を飲んだ。おいしい。


「あ、ソファが何かはわかるんだ。コップも持てるし、お茶は飲む物って知ってる。」

「…!」


試された!ああでもそうだ、俺はソファもお茶も本も知ってる…!


「前の世界にもある物だからかな?」

「その、『前の世界』ってなんなんだ?さっきの半分正解っていうのも…。」

「ちょっと信じられないだろうけど、記憶がない君にもわかるように説明してあげよう。

まずね、ここは異世界です!君がいた世界から、魔法でこっちの世界に呼ばれたんだ。

まあ任意じゃないから誘拐みたいなもんだけどね。」


…異世界。


「この世界はね、だいたいは君の前いた世界と一緒なんだけど、魔法っていうのがあるんだ。

あ、前の世界って言われても覚えてないだろうけど、たぶん君は常識的なことなら覚えてるんじゃないの?」

「どうだろう…。」

「そこは追々ね。それで、なんで君が呼ばれたかっていうと…。」

「マジンを倒すんだろ?」

「そう!」


この辺は白髭おじさんが話してたのを理解できた。マジンがなんなのかはわからなかったが。


「魔人っていうのはね、ほんとは教えちゃいけないんだけど…君には記憶がないから別にいいよね。」

「?」

「魔人っていうのはね、私たち人間が創り出した生物なの。」

「なんで倒す必要があるんだ?人間が創り出したのに。」


セラは急に慎重になった。


「えっと…元々この世界には魔物っていうのがいてね、とっても強くて、人間に害をなしてきたんだ。それで人間は、魔物を倒すために、一部の人間に魔物の能力を移植して、魔人を創ったんだ。でも、今はもう、魔物は滅んだから、必要なくなった。むしろ人間より強いから、邪魔になっちゃって…」


セラがチラチラ俺の顔を見てくる。


「ふうん」

「討伐してくれる?」

「ああ。」

「よかった!」


セラはあからさまにほっとした。


「いや〜よかった。実はさ、心配だったんだ。」

「何が?」


「君はさ、さっき『(さら)うのは初めてじゃないだろう』って言ったじゃん?実はその通りで、前にも一回君の世界から人を転生させたことがあるんだ。その人は記憶があったよ。

その時は、魔物を倒してもらうつもりだったんだ。それで、その手伝いをさせる生物兵器として魔人を創り出そうとしたんだけど…とにかく反対されちゃったらしいんだよね。まあ創ったんだけど。」


「なんで反対されたんだ?」

「前の世界ならではの考え方があったんだと思う。」


…俺に前の世界の記憶があったら、魔人討伐に反対する可能性があったのか。


「記憶がなくてある意味好都合だったんじゃないか?」

「まあ記憶があっても、魔人を討伐してもらうことに変わりはなかったけどね。あ、魔人見てみる?」

「見れるのか?」

「魔物と違って知性があるから、騙して捕まえられたんだ。」

「見てみたいな。」

「じゃあこっち!」


セラの部屋を出て、階段を降りていった。

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