表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/71

54、変化


私は呆れながらも真顔になってしまったリーヴス殿下を説得するため、とりあえず起き上がり、ベッドの上で向かい合う。


「そうですね、では一番はこの場で殿下にお見せします。でもイニス殿下は魔術師候補なのです。これは指導の一貫でもありますので、お見せする事はお許しください。」


そう言ってリーヴス殿下の手を両手で握ると、リーヴス殿下は渋々であったがなんとか頷いてくれた。


上手く切り抜けられた所で

「では、早速お見せしますね。」

と目を瞑ると、すぐに男性姿に変化する。


目を開くとリーヴス殿下がポカンとした顔で私を見つめていたので、私はにっこり微笑んで感想を求めた。


「いかがですか?前回お見せした時よりかなり男性らしくなったと思うのですが…」


私が問いかけるとリーヴス殿下はゴクリと唾を飲み、上下に視線を動かす。


「…うん、そうだね。驚いたよ。完璧な男性だ。ただ、元がアルマだからかなりの美青年になってしまっているね…これはこれで心配だな…」


えっ、まさかの却下!?


焦った私は慌てて身を乗り出すと、至近距離まで顔を近付け必死に訴えた。


「で、殿下、でも、これでもかなり頑張ったのです!これ以上はどうにもなりません!」


「う…」


リーヴス殿下は詰め寄る私に顔を背けると、目を逸らす。


そ、そんなに酷いの!?


私が絶望していると、しばらくしてやっとこちらを向いたリーヴス殿下が、言いにくそうに私を見た。


「いや、私もアルマが騎士として私の側に付いてくれるのは大歓迎だよ。男性のアルマも凄く美しいから、堪らなくて…。あぁ、どうしよう。どんなアルマも愛し過ぎて辛い。果たして仕事中自制出来るだろうか…」


「…。」


頬を染めるリーヴス殿下を前に私は無言で変化を解くと、

「では、イニス殿下にも見て頂きましょうか。」

と返事も聞かずリーヴス殿下をベッドから降りるよう急かす。


そのまま素早く魔法陣を展開し、王城のリーヴス殿下の私室に転移した。


「ふふ、アルマったら、照れちゃったのかな?可愛いね。仕方ないじゃないか、どんなアルマも愛しいんだもの。」


何故かご機嫌で私を抱き寄せるリーヴス殿下を無視してイニス殿下がどこに居るのか聞くと、恐らく今は部屋にいるだろうとの事で続けてイニス殿下の私室に転移した。


「うわっ、あ、兄上!?とラウンドール嬢!!い、いきなりビックリするではありませんか!!」


イニス殿下は部屋に一人で、テーブルの上に山積みになっている婚約者候補のご令嬢の写真を確認している所だったらしい。


「イニス、暇そうでちょうど良かった。実はアルマがこの前の変化を改良したのでな。それを魔術士候補のお前に見せたいらしい。」


「暇ではありませんよ…」

とイニス殿下はげんなりしながらも、変化の魔法には興味があるようですぐにこちらを見た。


「ラウンドール嬢、こちらに来たりして大丈夫なのですか?何やらあまり御加減が良くないと聞きましたが…」


「お陰様で回復致しました。ご心配をお掛けして申し訳ありません。殿下方の貴重な御時間を無駄にする訳にはいきませんから、すぐに始めさせて頂きますね。」


私が男性姿に変化すると、イニス殿下はキラキラとした目で私の姿を見て歓声を上げた。


「凄い!完璧です!この前とは比べ物になりませんよ!」


褒められているのか貶されているのか、興奮するイニス殿下に私は調子に乗って臣下の礼を取ってみる。


「殿下にお褒めいただき光栄です。」


「はわわ…ちょ、僕より王子みたいな騎士に跪かれるとか…!ラウンドール嬢、もうちょっと顔の造作を何とか出来ないんですか?確かに男性に見えるようにはなったんですが、これでは綺麗すぎて物凄く目立つと思います。」


私は立ち上がると困った顔で顎をさすった。


「先程リーヴス殿下にも申し上げたのですが、今の私ではこれが精一杯なのです。綺麗と言うのがよく分からないのですが…もうこれ以上は…」


むしろ相当練り上げてこれだからなぁ。


私が眉を下げてイニス殿下に答えていると、ふいにノックの音が聞こえ慌てて隠れる。


イニス殿下は私が隠れたのを確認すると、入室の許可を出し訪問者を通した。


「イニス殿下、そろそろ公務のお時間ですのでお支度を…。えっ、リーヴス殿下!?いつ帰ってこられたのですか!?良かった!リーヴス殿下が不在の間執務がかなり滞ってしまっているらしいのです!急いで執務室へ、皆が待っております!」


「は?私はまだアルマと…」


公務の時間を伝えに来た侍従はリーヴス殿下を見るや外の護衛を呼び、有無を言わさず連行してしまう。


思わぬ所でリーヴス殿下が片付いてくれ歓喜していると、イニス殿下が非常に残念そうに私を見た。


「ラウンドール嬢、私も行かなければならないようです。折角今日こそ魔法の指導をして頂けると思ったのですが…」


「イニス殿下はお忙しいのですから仕方ありませんわ。またお手紙でご都合のいいお日にちをお知らせください。お伺い致しますわ。」


私はそう言うと変化を解き、イニス殿下に挨拶して騎士団の鍛錬場に転移する。


やっと、やっとエリシオの所に来れたわ!

はぁ、早く武器談義がしたい…!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ