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53、作戦


「んふふ。さて、じゃあ早速外で鍛錬しましょうか!」


「…アルマ…。」


呆れるマグリを引っ張って、私は意気揚々と庭に出る。


ライナの治療魔法は効果抜群で、私は寝込んでいた時から気になっていたギルダの武器を試したくてウズウズしていた。


「二人とも、見てよこれ!素晴らしいと思わない?あぁ、なんて素敵な武器かしら…この曲線がたまらないわ…」


うっとり双剣を愛でる私に、二人は若干引いている。


まぁ、マグリは身体能力が高い分身体を使った戦闘の方が得意だし、イドラは元々ドラゴンだから、武器なんかには興味が薄いのだろう。


もっとこの感動を分かち合える人物は居ないのかしら…と考えて、私はすっかり放ってしまっていた元護衛騎士の事を思い出した。


「そうだわ!エリシオが居るじゃない!私、今からエリシオに会いに行きがてら稽古しに行ってくるわ!」


「「はぁ!?」」


私の言葉に二人はギョッとする。


「馬鹿じゃないのか!?昨日の今日で何言ってるんだ!!まだ完全に快癒した訳じゃないだろう!?」


「そうだぞ、アルマ!!気分転換したいのなら俺様が背中に乗せて飛んでやる!好きだったろ!?」


二人に止められ口を尖らせていると、そこに私を探していたのかリーヴス殿下がやってきてしまった。


「アルマ!!こんな所に居たの!?駄目だよ、まだ大人しくしてなくちゃ…」


心配そうに私を抱き締めるリーヴス殿下を見て、私はピンッと閃く。


ここは、リーヴス殿下を丸め込んで、エリシオの所に転移しちゃいましょう…

ついでにリーヴス殿下も王都へ送って行けるし、一石二鳥だわ!


私はそうと決めるとすぐに自分の中の女子を総動員し、上目遣いでおねだりモードを発動した。


「リーヴス殿下、私、久し振りにリーヴス殿下と二人でお話したいです。駄目ですか?」


「「「!?」」」


うるうると飛びっきりのぶりっ子でリーヴス殿下に迫ると、リーヴス殿下はみるみる頬を染め、他の二人は驚愕の表情で私を見ている。


「だ、駄目なわけがないよ!あぁ、アルマ、私もアルマと二人きりになりたいと思っていた!では、私の部屋に移動しよう!アルマの部屋だと邪魔が入ってしまうからね!」


リーヴス殿下は嬉々として私を抱き上げると、立ち尽くすマグリとイドラをその場に残し部屋へと急いだ。


ふふ、上手くいったわ!


しかし、私はベッドに寝てばかりいたせいで思考が鈍っていたのか、リーヴス殿下を甘く見過ぎていた。


部屋に入ってすぐ、リーヴス殿下は私を抱いたままソファーに腰掛けると、顎を掴みおもむろに口付けして来る。


驚いてやんわり肩を押したがそう簡単に離れてはくれず、私はリーヴス殿下が満足するまで何度も唇を食まれた。


「…はぁ、アルマ。愛してるよ。やっと二人きりだね。アルマから誘ってくれるなんて嬉しいな…。でも病み上がりだもの、今日は口付けだけで我慢しようね?」


あたかも私がもっと色々したいかの様に言うリーヴス殿下に反論しようとして、すぐにまた唇を塞がれる。


酸欠になりそうで思わずリーヴス殿下の服を握ると、リーヴス殿下は逆にますます執拗に唇を貪った。


これは、予想外…!

まさかずっとこれが続くの…!?


なんとかリーヴス殿下の胸を叩いて止めて欲しいアピールをしてみると、リーヴス殿下は顔を離しゆっくり自分の唇を舐める。


それを肩で息をしながらぼんやり見つめていると、


「…可愛い。アルマの顔、蕩けてるよ。でもここよりベッドの方が楽かな?移動しようか。」


とますます自分を追い込む羽目になった。


えっ、ど、どうしよう!?

ベッドなんて駄目に決まってるじゃない!


焦っているうちに抱き上げられベッドに運ばれてしまい、私はのし掛かって来たリーヴス殿下を困ったように見つめる。


「で、殿下!いけません!私、皆には内緒で殿下にお話したい事が御座いましたのに…これではお話どころでは無くなってしまいます…」


そう言って落ち込んだように目を伏せてみると、リーヴス殿下は慌てて私を抱き締めた。


「ご、ごめん!アルマ!そうだね、病み上がりなのにアルマに誘われ嬉しくなってつい…アルマも我慢してくれてたのに…。あぁ、いつも辛い思いをさせてごめんね…結婚したら今までの分もたっぷり愛してあげるからね。それで、話って…?」


リーヴス殿下の言葉の中に恐ろしい内容が含まれていたが、とりあえず今は触れずにリーヴス殿下を見つめる。


「先日殿下にお見せした変化なのですが、改良いたしましてかなり実用的な見た目になりましたの!その姿であれば騎士として殿下をお守り出来るかと思いまして…」


実際騎士姿で色々やってやろうと画策中だし。


固まったまま動かないリーヴス殿下をじっと見つめていると、リーヴス殿下は感極まった表情でポロッと涙を零し、私はギョッとした。


「自分が臥せって居る時にまで、私の事を考えて居てくれたの…?なんて健気なんだ…。こんなに想われているのに、私はいつも嫉妬ばかりで器の小さい自分が嫌になるな。分かった。一度見せて貰っても良いかな?」


「あ、は、はい。でも、イニス殿下にも見せておきたいので、王城に転移してからで宜しいですか?」


「ん?どうしてイニスに見せる必要があるの?私の為にアルマが完成させた姿なら、私だけが知っていればいいよね?」


えぇ!?今器の小さい自分が嫌になるとか言ってたよね!?



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