46、神界6
「はぁ…理性が飛ぶかと思った…。も~アルマたんにおねだりなんてされたら叶えてあげるしかないじゃない~。でも教えるのはパパが一番手ね!じゃあ早速変化の魔法から教えてあげようかなぁ。アルマたんがいつもしてる変化を見せてくれる?」
鼻血を拭きながら言われ、私はすぐに変化する。
女神の状態で変化したので自分ではどうなったかよく分からなかったが、マグリと同じ様な周りの反応を見てガッカリした。
「…うん。髪が短くなっただけだね。しかし凄く中性的で危うい見た目だなぁ。もうこの姿には絶対変化しないように。」
「…では、新しい変化を早く教えて下さいませ。」
私が頬を膨らませ訴えると、
「うわぁ、これは絶対外には出せないね…」
とライナを筆頭に何故か変な空気になる。
「そうだね。まずアルマたんは、自分の今の姿を軸にして変化後の姿を組み立て過ぎなんだよ。今まで散々男として生活して来てるんだから、そっちを軸に変化してごらん。」
成る程!
確かに、男だった自分を想像すれば簡単じゃないか!
私はすぐに変化し直してみると、先程より目線が高くなり、体格的にも自分で分かる程筋肉質となった。
「どうです!?上手く行った気がするのですが!」
声もいい感じに低い。
私が嬉々としてリウグレットを見ると、何とも言えない表情をしていた。
「うん…さっきよりはかなりいいかな。でも、まだ細いかなぁ…。と言うか、ね、物凄いキラッキラの王子様みたいなんだよねぇ。いや、アルマたんを男にしたんだから、当たり前と言えば当たり前なんだけど…。兵士にはなれないよ、目立ちすぎる。」
バタンッ!
そこで少し離れた場所で何かが倒れる音がして確認すると、ラーシュが床に尻餅をついている。
「ラーシュ!」
私が慌てて駆け寄り手を差し伸べると、ラーシュは戸惑いながらも手を取り立ち上がった。
「大丈夫?何で何にもない所で倒れるの。怪我は?」
「…無い。」
そこでうっすらと赤くなっているラーシュの頬に触れようと手を伸ばして、慌てて転移して来たリウグレットに二の腕を引っ張られる。
「ラーシュ!これはアルマたん!今は変化してるだけであって、本当は女神なんだからね!?」
「リウグレット様、何言ってるんですか…そんなの今見てたんだからラーシュも分かってるでしょう?」
私が呆れていると、
「何で肝心な事は忘れたままなの!?」
と逆に怒られた。
「アルマたんの変化の状態は分かったから、皆が帰った後で細かい調整をしよう!と言う事で解散!」
「はぁ!?理不尽だ!俺達はまだアルマリージュと一緒に居たいのに!」
「どうせこれから順番に会えるんだから我慢しなさい!はいはい!散った散った!」
リウグレットに無理矢理追い出された兄弟達はブーブー文句を言いながら神殿を追い出される。
いつまでもぽーっとしているラーシュは、リウグレット様に無理矢理転移で外に放り出されていた。
「…はぁ、やっと居なくなった。アルマたん、その姿はラーシュの前では晒さないように。じゃ、キラキラオーラを消す所からね!」
リウグレットはそれから私の変化を細かく微調整し、何とか際立ったキラキラを消すことに成功する。
それでもまだ王子感は拭えない様だったが、何とか及第点を貰えた。
「…ん、まぁ、これが限界なのかなぁ。じゃあ今日はもう疲れたし、パパと一緒にベッドでお休みしよっかぁ。」
気持ち悪。
私の心の中を読んだであろうリグレットはショックのあまり
「酷い!」
と私に詰め寄る。
「だって、いい歳した父親と一緒に寝たくなどありませんもの。寝る部屋が無いならクッションか、ライナお兄様の神殿に泊まらせて頂きますわ。」
リウグレットは私の言葉を聞いて渋々ルアに部屋を用意させると、なんとか一人で寝る場所を確保した。
まだ一日程しか経っていないのに、人間界の事が気になって仕方がない。
早く帰らないと…色々面倒な事が起きそうな気がする。
逸る気持ちを抑えて何とか眠りにつくと、起きて早々にギルダが私を迎えに来て、攫うようにギルダの神殿へと連れて行かれた。




