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倒病奇癖録。  作者: 通りすがりのY
2/3

興味があるかは存ぜぬが。

 とりあえず私の身の上と、抱えている精神疾患について語っておこう。

 私は簡潔に言えば、鬱病だ。

 そう。二次元、三次元問わず、よく耳にすることの多い、あの鬱病である。

 ドラマの題材になったりだとか、芸能人が闘病時代を激白しただとかでちょくちょく注目されたりもしているあれだ。


 自慢げに読み取れるような強調の仕方をしたかもしれないが、こんなものなど患っていても何の得にもなりゃしない。というか、当然ながら損しかしていない。これについては、後ろの方でもう少し詳しく書くのでしばし待たれたし。

 更に付け足しておくと、鬱病診断ついでに(多少語弊があるかもしれないが、私の場合はわりとマジでついでにという感じだった)頭の検査を受けたところ、発達障害一歩手前の状態であるとまで言い渡されている。一口に発達障害と言っても色々種類があるらしく、私の発達障害(一歩手前)は自閉症寄りの傾向を持ったものとのことであったが……正直、医学関連の知識はないので、自分の病気のことなのに、あまりよく理解できていない。ただ一つ確かなのは、色々なものを抱えすぎているせいで、自分は「普通の人間」のカテゴリーには当てはまらない存在であるということくらいだ。


 発達障害(一歩手前)は元々生まれ持ってきたようなものらしいので、後天的に発症してしまうリスクのある鬱病の話をした方が若干なれど何かの足しにはなりやすいだろうか。この駄文の集合体に、読者が集っているかは知らないけれど。

 私が鬱病……というか、鬱病の症状にみられるという抑鬱状態に陥ったと医師から正式な診断を受けたのは、これを綴る三年と少し前の頃。私はうっかり入社してしまった、限りなく黒に近い会社で蓄積したストレスが祟り、原因不明の体調不良を併発しまくっていた。

 覚えている限りだと、まずは趣味に気力を向ける力まで失う倦怠感。周囲の空気が急激に薄れてしまったのではと錯覚するような窒息感。自分でも制御の利かなくなる情緒。常に不安定だったな、それなりに効果のある薬に巡り合うまでは。

 他にも細かい症状は山ほどあったと思うが、流石に全部は綴っていられない。それだけで、この話の文字数がえげつないことになりそうだし。


 三年とちょっと前に鬱病と診断され、限りなく黒に近い会社に別れを告げて、某業界にて非正規雇用者として働いている。それがこの謎の文章らしき物体を綴る私という存在に関する情報の断片だ。

 ……なお、某業界というのは当然ながらカタギの世界ではあるが、下手なこと書くと容易にお縄になってしまうので、今後も詳しく語ることはないと一応お断りを入れておく。


 今の病状についても語っておこうか。こんなアホみたいな文章モリモリ書き上げているくらいだし、もう鬱病なんてほとんど治って再発防止に努めてるって感じなんでしょう? などと思われているかもしれない。


 ところがどっこい、私の場合はそうじゃなかった。むしろ、この三年ちょっとでじわじわ悪化に向かっているくらいだ。

 世間一般で鬱病と診断されている方々全員に当てはまると勘違いされてはたまらないし、申し訳ないのであくまで私個人の体感と偏見であると宣言しておくが、本気でしつこいんだな、これが。

 まず、やる気というものが全く湧かない。頑張って知的に言い換えれば、物事に対する意欲というものが著しく低下している。仕事に対してもそうだが、趣味としてかつて楽しんでいたあれやこれやをしてみようと試みても、


 面倒くさい。


 となり、気怠さに負けて布団にin。

 そのまま薬の副作用による眠気に負けて、何もしないまま休日終了。

 なんてこともしばしば。こんな使われ方をするくらいならドブに捨てられた方が、時間も少しは報われるのではなかろうか。

 そして、これは元来の性格だとか、これまで送ってきた人生も要因となっている可能性があるのだが、とにかくまぁ、被害妄想が激しい。でもって、尋常ならざるレベルのネガティブ思考が勝手に自分を追い詰める。


 雑談交じりに悪口を嗜む声があれば


 ――私のことを言っているのか?


 はもちろんのこと、西に笑い声があれば


 ――私、何か変なことでもしたのか?


 東に舌を打つ音があれば


 ――私、怒らせるようなことでもしたのか?

 

 とまぁ、人通りの多いところに出れば、こんな心理状況がほぼほぼ継続するというね。

 それなりに調子がいい時に、冷静になって考えてみれば「誰もお前のことなんか見てねーよ」なのだが、気分がどん底まで落ちてしまった時には……そうはいかなくなるんだなぁ、これが。


 で、なんでしょうもないことを拍子にネガティブモードが発動してしまうかというと、ここであいつが一枚噛んでくる。そう、発達障害(一歩手前)と診断された、私の頭の作りだ。


 そいつが百パーセント悪さをしてるのかと問われると流石に疑問符を付けざるを得ないのだが、絶対に絡んできている、というのだけは断言できる。

 この奇癖録でのちのち長く語る回があるかもしれないので此度はサラッとだけにしておくが、私は常日頃から生きづらさを感じている。いや、厳密には、昔から感じてた……の方が適切だろうか。昔についても、ここでは詳細を記載するのは控えておくが。(文字数の都合上、単純に自分語りを一気に大量にやるのはちょいとばかし、しんどい。一ページに文字を詰めに詰めまくっても、目がチカチカするしね)

 

 趣味趣向が合う同年代とは、私の思考回路があれこれぶっ飛んでいるせいか一度も巡り合ったことはない。これが際立っていたのはおそらく十代の頃だ。周囲がやれ芸能人の誰だかがかわいい、かっこいいだのと盛り上がる中、私はゲーム(しかも、どちらかというと「カセット」と呼ばれる代物をぶっ差して遊ぶレベルの、今で言えばレトロゲーという奴だ)だとか、SF系の創作(宇宙でロボットがドンパチする奴ではなく、どちらかというと身近にありそうでないような不思議な話に属するタイプの題材を扱ったもの)にゾッコンで、まぁ誰とも会話ができない。「普通の人間」ならば、多少周囲と趣味趣向が異なっても自分を殺してでも誰かしらと共存することができたと思うのだが……早い話が、私にはそれができなかった。

 この時点で自身の異常性が先天性の疾病によるものなのでは? と疑念を抱き、精神科に足を運んでいれば今とは違う道が開けていた可能性も無きにしも非ずであるが、そればかりは過ぎたことだし、いくら悔やんでもどうしようもないのであきらめるとする。

 

 とまぁ、なんかそれっぽいような、それっぽくないような感じで自身の抱える疾患の断片を簡単に記してみたわけであるが、自分で軽く読み返しただけでも、「こいつ、すげぇ面倒くさそうな奴だな」というのだけはヒシヒシと伝わる感じに書けたと思う、我ながら。

 だが、ちょいとばかし誤解を招きそうな部分がいくつか見受けられたので、最後にポツポツと弁明(という名の言い訳)をしておく。


 1.私は鬱病および発達障害(一歩手前)を抱えており、なおかつ前述の疾患を抱えている自分を貶めるような言い回しを多用している(多分、今後も連発する)が、全ての精神疾患持ちの方がこのような超絶ド変人というわけではない。ついでに言うと、私自身も、他の疾患持ちの人に対し仲間意識だとか、見下すような感情だとかは持ち合わせていないのであしからず。多分、相手側も私のようなのに同族目線で見られても大変迷惑なだけだろうし。


 2.まるで「私は鬱病と発達障害(一歩手前)を抱えているせいで、こんなに可哀想な人生を歩んでいます」だとか、可哀想ごっこがしたくてこのような文章を綴ったように見えるかもしれないが、そういった意図はない。ただただ軽めの毒を吐き出したかっただけ。他意はない。


 3.自分の身の上について軽く書かせてはいただいたが、理解を求める気は一切ない。これを読んで何かしら思うところに至るのも自由、唾を吐きかけるように閉じるのも自由、無味乾燥のまま終わるのも自由、である。他者の意見を求めていないが故に、本作(これを作品と呼んでいいかは甚だ疑問であるが)では感想を受けつけていない。いないとは思うが、別の場所でこれを読んだ感想を書いたり吐き捨てたりなじったりするのもおおいに結構、である。


 また指を動かしたい衝動にでも駆られた時に、ここへ戻ってくると思われる。言いたいことを本能のままに羅列していたら、かなりとっ散らかってしまったしね。

 今回はここまでとする。以上。

本当はもうちょっと早く投稿する予定だったのだが、パソコンの更新が絶妙に微妙なタイミングで入ってしまったり、忙殺されたりとてんやわんやしている間に時が過ぎたお陰でこのザマである。

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