5話 4月19日 「初めての魔法(前編)」
「”””””」は場面や視点の切り替えで使用していきます。
4月19日 天気:晴れ
昨日に引き続き今日も休みだ。なので今日は、昨日ハイエルから教えてもらったことを整理したいと思う。
まず俺のMPが3だということ、そして普通の魔法はMP5だということ。どうしてこんなにMPが低いのかは置いておいて、今まで魔法が使えなかったのは俺のMP量が足りなかったからということになる。
...
「ステータスカードもっと早く配れや!」
まぁいいや。んでこの極小ウィンドだ。本によると、糸に満たないほどの細さの風を起こすことができるらしい。そりゃ普段誰も使わんわ。MP5で使えるウィンドのほうが範囲が広いし使い勝手もいいからな。
さて、習得方法は分かったし試し打ちと行きたいところだが...本当に使えるのか?これ。
まぁ後でやってみるとして、次は俺の職業適性?とやらに関してだ。MP3はステータスカードに書いてあったから俺でも理解できたが、指揮者なんてのはどこにも書いていない。
ん~...
母さんにそれ関連の本がないか聞いてみるか。
「母さん、職業適性みたいなことが書いてある本ってある?」
「うちにはないね!町の本屋か図書館でも行ってきな!」
ということだが本屋に行こうにも金がない。なので図書館に行くことにした。
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男が一軒の家から出てきた。そして家の中に残された一人の女。
「なんでもすぐ行動に移すなんて...誰に似たんだかねぇ...」
その独り言を家の傍らで聞くものが一人...その人物は音もなく立ち去るのであった...
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「もしかして私今ストーカー...?」
独り言のようにその声を発したのはほかの誰でもない、あのエリカ=エルブライトである。
それもそのはず。彼女は今、隣人を隠れて追跡しているのだから。
「私が行ったときに限っていないんだから...もう...」
彼女は先刻、隣人の家を訪ねようとした。しかし、遠くを歩いていく隣人の姿が目に入り、話しかけようとして追いかけてきたのだ。
しかし、街中で今まで追ってきたというふうに出会うのはよろしくない。そんなことは彼女の羞恥心が許さないのであった。ではどうするか。悩んだ末に彼女が出した答えは...
「よし、レーちゃんの行先で偶然会ったことにしましょう!」
というわけで彼、セントレルの目的地まで隠れてついていくことにしたのであった。
この10分後にあんなことになろうとはこの時はまだ誰も知らない...
今回もお読みいただきありがとうございます。タイトルの通り主人公が初めて魔法を使います。ですが、あまりに長くなるので分割しました。私としては1話に対して1000~1500文字程度かなと考えているのですが短いですかね?
私自身が単行本を読んでいた人間なので、なろう界隈はまだ日が浅いのです...
「もっと長くてもいい!」や「いやもっと短く!」などのご意見やご要望がございましたらできうる限り応えていきたいと考えておりますのでどしどしとお申し付けください。
ちなみに私は湊かなえさんのファン(にわか)です。ミステリーチックな文章になるかも...?