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折檻には夢がある

作者: 死泥戻郎

『お仕置きは嫌だけど、折檻には夢がある。』

そんなのことを考えながら、川沿いの暗い遊歩道を歩いていた。


今夜は花火大会、本当ならこの道も人出で賑わっていたはず。

それを許さなかったのは、そぼ降る雨、時折、サーッと細かく降り注ぐ霧雨。

生憎の天候にも拘わらず、花火大会が強行されたわけだが、雲間に隠れて花火が全く見えないではないか。

花火の見えるとこまで行けば、人がいるんだろうと信じて歩いてるわけだが・・・

肌寒いし、だーれもいないし・・・

それで気休めに、とりとめもないこと考えながら歩いてる・・・しかし、もう心が折れそうだ、帰ろうかな・・・。


お、なんか黄色いのが見える!

傘だ!

黄色い傘が開いたまま転がっている!

あの辺に人が固まってるに違いないのだ。

やっぱ花火みないと、夏休みって感じはしないよなあ。

歩みが自然と早くなる。


しかし全く人の気配がない。

なんだよ、落とし物か?忘れ物か?


ずんずん近づいていく。

人の気配は感じられない。

すれ違いざま傘の中を覗いて見た。


女の子がいた。小学2年生ぐらいか。ちょこんと体育座りをして空を見上げている。


「なんだ、やっぱり人がいたんだあ。」とホッとする。

『でも、ここからじゃあ花火見えないよなあ・・・』なんて思いながら、女の子の視線の先を自分も見てみた。

そこには、すぐ横の大きな木から枝が伸びていた。

その枝には中年男の首吊り体がぶら下がって、こちらを見下ろしていた。


驚いて足早にその場を立ち去った。

そう言えば、この川沿いに人が首を吊ったことで有名な木があるって誰かが話してたな。













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