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目の当たりのグロテスク

嗚呼、神様。僕は無意識に何か悪いことをしてしまったのでしょうか。


目の前にはさっきのイケメンさんを含む4人がソファに鎮座しています。

対する僕はソファの前に何故か正座中。


本気でなんでこうなったんだ......!


30分前、マンションの通路で僕はいきなり現れてイケメンさんにぶつかり縺れて押し倒されたような体制になったらしい。


そのあと住人の方々に発見され、今に至ると。


「ねーねー、えっと......アキ、ちゃん?」


「ひゃ、ひゃい!?」


いきなり声かけられて変な声出たぁぁぁ!!

話しかけてくれた人もなんか唖然してるし......もう嫌だ......お家に帰りたい。


「あ、君の家は今日からここだから」


くそう!見透かされたような発言!......あれ?


「なんで、考えてることわかったんですか?」


「慣れたら大体の心の声は聞こえるようになるよ」


「プライバシーの侵害罪が問われない、この環境!!」


白い人に言われてつい、だんっと拳を床に叩きつけてしまった。


「おい」


「はいぃっ!」


「いちいち喚くな耳に毒だ」


「ご、ごめんなさぃ......」


イケメンさんに静かに怒られてしょんぼりしてしまってなんか暗い雰囲気になる。


「もー、ゼロちーそんなに怖い声だしたら新人さん怯えちゃうでしょー」


一番最初に声をかけてくれた可愛らしい蜂蜜色の髪の男の子が、イケメンさんを肘で小突きながら頬を膨らませた。

その横にいる同じ蜂蜜色の髪をした女の子が男の子の服にしがみついて、恐る恐るといった感じでイケメンさんの様子を伺っている。

そのまた横に座っている白い髪の男性が困ったような笑顔をその三人に向けている。

なんかこの人から苦労人の香りがした。


「ま、取り敢えず自己紹介でもしちゃおっか!」


いつの間にか収まったのかニコニコと笑った男の子がパンっと手を叩いて言い始める。


「僕の名前はアイ!好きな食べ物はケーキで趣味はバランスボールです!因みに隣の子とは双子です!よろしく!」


笑顔を絶やさずブンブンと僕の手を取り振り回す。

ちょ、肩がなんか不気味な音を......。


「こらこら、アイ。新人さんが困ってるだろ?」


「え?あ、ごめんね!」


「い、いえいえ......」


白い人に言われて慌てて僕の手を離すとアイ君に純粋って怖いんだなぁとこの身を持って痛感した。


「はい!じゃあ次ライ!」


「......名前、ライ。殆ど兄さんと同じ。以上」


たったの17文字で自己紹介を終わらせちゃったライちゃん。

アイ君と白い人が困ってますよー。


「えー......っと、僕はユキ。趣味は散歩と料理。よろしくね」


花が飛びそうなほど眩しい笑顔を向けられて直視出来ません!ていうか料理って、女子力高すぎやしませんか!?


「じゃーじゃー最後に......」


「......ゼロだ。名前以外教える気は無い」


おやまあ、その、なんと言いますか......クール......ですね......。


「......まあ、ライとゼロちーの自己紹介は置いといて、一応名前は知ってるけど君は?」


「あ、僕はアキと言いまして......その、バスに跳ねられたはずなんですけど......」


そう、今までここにいてどうしても気になっていたこと。

死んだはずなのに何故か動けてる、息をしている。

可笑しいのだ死んでいるはずなのに。


「ああ、それはねー......」


説明をしようとしたアイ君の首が突如鈍い音を立てて前に折れた。

そのすぐ後ろに見えたゼロさんの硬く握り締められた拳。


今、頭を殴った......?


「ちょ......!」


「あー......いったぁ......」


何ともない様にグイッと頭を上げたアイ君の顔には血がべっとりとついていた。


「うわぁぁ!?ちょ、アイ君動いちゃ駄目です!きゅ、救急車を......!」


って、あれ?可笑しくないか?いくらアイ君の体が小さくても拳で殴られたぐらいで血が出るか?


「あははっ!面白い反応するね!アキちゃん。...まあ、これが死んだ証かな?」


ケタケタと笑いながらコツコツと自分の頭を指で叩くアイ君。


どうなっているのかまだ理解できなかった。


「まあ、要するに死んでから身体に着いちゃった異常かな?因みにアイとライのはちょっとした衝撃で血が流れるんだ」


至ってこれが常識と言う様に説明するユキさんを僕は只々呆然と見つめることしかできなかった。



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