エピソード2
俺はニィナと町のなかを歩いている。ニィナがどこに向かっているのかは全く検討もつかない。とりあえずこれだけでもきいておくか。
「ニィナー、結局の所俺はどうしたら元の時代に戻れるのー?」
ニィナと一緒に行動することになったのはいいが、そこが一番重要だ。
「その点に関しては、私の仕事を終えてからお話致します。」
仕事?さっきまでは隠していたのに遂に口を滑らせたな!どうする…問い詰めるべきかね?
1、問い詰める
2、深く詮索しない
3、とりあえずニィナを観察
選択肢を考えだすとか、俺はギャルゲーしてるわけじゃないんだぞ。いや、別に普段からギャルゲーばっかしてるわけじゃないですよ?いや、本当に!ニィナがギャルゲーヒロインにいそうとか考えてませんからね!
でもよく見ると、ニィナ可愛いよな?うん。まてまて、これじゃ観察しちまってるじゃねえか!そんなことよりきいてみるかー。
「ニィナ、今仕事って言ったけどさ、それって君がこの時代に来た理由に関係あるんだよね?」
思いきってきいてしまった。大丈夫か、これで置いてかれたら元も子もないぞ。ニィナは観念したかのように話をはじめた。
「誠也の考える通りです。私は、未来で起きている問題を、過去を変えることで解決するためにこの時代に来ました。これが、私の仕事。」
ニィナは、まるで自分は仕事をするため生きているとでも言ったように俺にはきこえた。つまり、ニィナは仕事のために来たということか。未来の問題ねー。俺のいる時代なんて、何も無さすぎて全く面白みもない世界なのにな。
「ニィナ、未来では一体何が起きているんだ?」
「あなたに教える義務はありません。」
「一緒に行動する以上、俺にはニィナの目的を知る義務があると思う!」
「仕方がないですね。では、詳細は省きますが、簡単に説明します。」
ニィナの性格が少し掴めてきた。理由づけされると何かと弱いな、彼女は。
「私の時代では、現在日本とアメリカの間において大規模な戦闘が始まろうとしているのです。」
ニィナはこう言った。一瞬頭が真っ白になった。俺の時代、戦争なんかもない、ただ平凡な日々はそんなに早く終わってしまうのか。とは言ってもニィナが何年からきたかも分からないじゃないか。「未来」としかきいていないし。
「ニィナ、君は俺の時代の何年後の世界からきたんだ?」
「私は誠也のいた時代の、およそ50年後くらいの世界からきました。」
嘘だろ…それしか時間は経過していないのか。
「一体何が起こったっていうんだ…」
俺は無意識のうちに声に出していたらしい。
「その原因を突き止めるために私はきたのですよ誠也。」
彼女はそう言った。原因とは一体何なんだ?もしかすると俺のいた時代にも何か原因があるのか?俺は驚いたと同時に、何かが胸のなかで高鳴った気がした。平凡な毎日から離れるのも面白いと感じている自分がいる。そして俺は彼女に言った。
「あのさ、ニィナ俺も手伝うよ。ニィナの仕事。役にたつ自信は全くないけどさ。」
「何故ですか!あなたには関係のないことでしょう!」
あのニィナが珍しく感情をあらわにしている。ニィナは続ける。
「これは私が負うべきことなんです!決して人に手伝ってもらって良いことではありません!」
「俺は自分の時代だけが、平和でいることが許せない。それに、未来がそうなった理由が知りたいんだ!」
言ってから俺は気づいた。ベタなこと言ってるなあと、主人公っぽいなあと。
「しかし…」
ニィナは困惑しているようだ。どうすれば彼女は受け入れてくれる?考えていたら自然に体が動いた。
「俺はニィナの力になりたいんだ。」
そう言った俺は彼女の手を握っていたらしい。凄くやわらかくて、優しい温もりを感じる手だなあ。じゃなくて!いや、癒されたけども!無意識に俺は何をしてるんだ…
「わかりました。力になってください誠也。」
彼女はそう言うと俺に向かって微笑んでくれた。俺はその彼女の笑顔を守りたい、そう思った。
色々説明くさくなって、話が進んでいないと思いますがご了承ください。
2/23 文章を少し直しました。