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作者: 天川涙

学校では言われたことだけやってれば、先生も親もほめてくれる。ついでに成績が良ければ、もっとちやほやしてほめてくれる。


学校を卒業したら、言われたこと以外のこともやらなければならない。それが出来るのが常識だと言われる。更には、言われる前に出来ていろと言う。


そんな上司に、新人は言う。



「はじめてあなたの声を聞きました。私が挨拶をしても黙って行ってしまうし、いつも怒ったような顔をして私を見ていたので、何が不満なのか分からなくて、他の方々に聞いて回っていたんですよ」



言っていたつもりになっていただけだった。


心の中では非常識だ信じられないと不満をこぼしていたが、口には出さず、顔にだけ出して言ったつもりになっていた。


思えば、こんな会話をした覚えがある。



「『何故できない?』と?あなたは私が何をすべきか、私が聞いても『そんなのできて当然だ』と返すばかりで、何も教えてくれませんでした」



分かりたくとも、分からないところも分からない。と言い切った今や別の部署に移動した別の新人に、馬鹿なことを言ってるんじゃないと怒鳴ったのだ。



「言わずとも出来ていること。を相手に求めるのは、一種の他人に対する甘えでもあるのだよ。教育係の怠慢とでも言うのかな?」



私の教育係であった先輩は、そうおっしゃった。



「時代は変わってきてるんだ。今や私達の常識が、今の時代の非常識であるんだからね」



分からない世の中になったものだと思ったと同時に、私ももう、それほど歳をとったのかと感じずにはいられない話であった。









End



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