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俺のハーレム人生計画

「そして『俺』がここにいるわけだが神野郎」


「うむ、というわけでどうするよ」


「……不思議なもんだな。一生涯生き切った自分の『記憶』……じゃなくて『記録』を持ってるというのは」


「うむ、というわけでどうするよ」


「ちょっとは余韻とか持てよ!この神!……ええとだな、今度は剣と魔法とモンスターのファンタジー世界。これはこれでいい。だが、ちゃんと地球と同じ人間達がいる世界だ」


「さすがにそこは抑えるか」


「当たり前だ!……それから、エルフやドワーフといった亜人が居る世界でもある。雰囲気は中世ヨーロッパあたり。文化的にもそのくらいで。いわゆるRPG的な世界観だ」


「……わかった。能力は前と同じでいいのか?」


「ああ、それでいいよ。あ、ただ関わり方は今の俺の人格を持ったまま『生まれ変わり』で頼む。そして生まれ変わる先は、エルフだ!」



 長命なエルフで生きて、同じエルフ美女やロリ婆なハーフエルフ、普通に人間の少女とラブロマンス。これね!



「いきなり俗っぽくなったのう。前のお前のシリアスッぷりはどうしたよ」


「この話にシリアスはそこまでだ、と言ったのは誰だよ」


「よし、じゃはじめるか」


「訊けよ……」



そして、俺の足元から、自分が消えていく――



「ま、前のお前にも言ったがね。どんな形であろうとお前はお前の好きなように必死に生きてりゃそれでいい。それが、大事なことだ」


「ありがとうよ。……その言葉だけは、言ってるのがたとえ神さんでも、真実だと思うからな」


「なにそれひどい」



神野郎はドヤ顔で笑う。


相変わらず、『いい笑顔』だった。










「…………」


「よう、お帰り」


「…………」


「で、どうだったよ第二の人生。ニコポ、チート能力、きゃー!かっこいー!」


「…………殺す」


「えー、なにー?きこえなーい」


「殺す殺す殺す殺せなくても殺す!」


「なんだよー、ちゃんといわれたとおりの世界だったろー?」


「ああそうだなそうだからこそ余計腹立つわ!」





たしかに、転生先は剣と魔法、モンスターたちがいるファンタジー世界だった。


人間達、亜人もいるし、いわゆる中世ヨーロッパ的な世界だった。


むしろ、文明的には適度に発達していて、水道や風呂などもある快適な世界だともいえる。




だけどな、だけどな。







「オンワアアアアアア!オンワアアアア!」



突如あふれる、光の洪水。


だけどそれはまぶしいものではなく、月明かりの淡い光。


頬に触れる優しい風と草木の香り。



ここは、夜の森の中。


俺は、エルフとして生まれた。








「ギャアアス!ボグワァァァァ!」


「ギャアアス!ボグワァァァァ!」






両親の祝福の鳴き声を聞きながら――






……鳴き…声?












結論から言おう。



俺はエルフだ。









モンスターの。










……水木しげるの妖精画談に出てくる凶悪妖怪な描写のエルフじゃねーか!

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