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D・H  作者: ララ
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皆と皆の気持ちと決意と

悠里の機嫌が本当に悪くなり始めたのは5月くらい。



ちょっとしたことですぐキレて…。



どっかおかしいんじゃないかってくらい。




話しかけたら「うるさい!」っていったり、ちょっとぶつかっただけでかなり怒ったり…。




思春期だからって母さんは言ってた。



悠里の家の前を夜通るとたまに怒鳴り声が聞こえた。



おばさんとあまり仲よくなかったみたいで。



前は良かったんだけど。



兄弟げんかも多かったみたいだしね。



学校にサビオしてきたりして…


どうしたの?



ってきいたら悠太が噛んできたとか言ってたな。



それでも俺はそんな親身になって聞いたりしなかった。



怖かったのかも。



悠里変わったし。



1年くらいまともに話してなかったし。



昔の俺なら聞いてたかな?



でも今の俺は聞いてやらなかった。



正直めんどうにまきこまれたくなかったし。



喧嘩はごめんだし。



最後の大会近かったしね。



そしてある日機嫌の悪かった俺が悠里にキレタってわけ。



その前の日に悠里に思い切りきれられてて俺すごく腹立ってて。



なんで悠里が怒ったかっていうと、悠里が数学わかんなそうにしてたから教えてやろうとしたんだ。



そしたら「余計なことすんなよ!」っていわれて…で、俺も大会近くでピリピリしてて怒ったってわけ。



次の日悠里より学校に早く着いて…



悠里のこと考えてた。



謝ろうかなとか。



そしたら友だちが「昨日悠里と大喧嘩してたよな〜」

「でもあれは悠里が悪いよ。あんなきれなくたって」

とか俺の周りで話し始めた。



それから俺に「でも拓斗が謝るんだろ?いつもそうだもんなー」って言ったんだ。みんな。




なんかそれにすごく腹が立った。



よくわかんないけど俺が悠里より下っていうか…とにかく嫌だった。



こんなこと考える俺が一番嫌なんだけど。



それで俺悠里が来たらきれちゃったんだ。




「俺最低だろ?」



拓斗が泣きそうな声をしている。



「…」



俺(焔)は何も言えなくて…。



「焔起きてる?」



「起きてるよ!ただ…悠里も悠里だと思うし」



「…でも俺が一番最低だよ。なんであの日あんなこといったんだろ。学校で落ち込んでる悠里に気付いてた。なのに俺は気付かないふりして絶対に話しかけたりしなかった。あの時ちゃんと話しかけたりしてお互い話し合えばこんなことにならなかったんだ」




「拓斗…」



拓斗の声がだんだんと大きくなったのがわかった。




それから落ち着いたみたいでにこっと微笑んだ。




「ま、そのおかげで焔とかアリスとかに会えたんだけどね」




「…おう!!」




拓斗のこういうところ時々怜に似てるなって思う。



実はウミじゃなくて怜がもう一人の拓斗なんじゃないか??



なんてな。




「さーてそろそろ寝るか。もう1時すぎたー」




「おう!」




1時の意味はよくわかんないけど相当遅い時間ってことだな。




「おやすみ」




「ん。おやすみ」




少したって拓斗がまた口を開いた。



「…焔俺が話してた部活とかの意味知ってる?」




「…知らない」




知らないけど大体の話は理解できた。




それでいーじゃん!




ま、今度教えてもらうよ。




な?



拓斗。




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