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D・H  作者: ララ
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「和解」

「あーーーーー!!!!いたーーー!!!」




この声!!




振り返るとそこには焔がたっていた。




「焔!!」



俺らは一瞬笑顔になったけどすぐまた落ち込んだ。



だってそこには…。




「怜は?」




そう。怜がいなかった。





「逃げたんじゃない?」



ウミがしれっと言い放つ。



そんな…。



まさか怜だけいなくなったってことかよ?










「誰が逃げたってー?」




聞きなれた声。



焔の後ろの茂みから顔をひょこっとだす。



怜だ!!!




「「「「怜!」」」」



みんな一斉に叫んだ。




「よかった〜!!!」




「心配した〜!!」



皆怜の周りに集まる。



「…話聞いてないの?」



怜が少し驚いた顔で俺らに聞いた。




「聞いたよ。聞いたけど…ねぇ?」



みんな顔を見合す。



きっと意見は同じ。



まあウミは抜けてるけどね。




「怜は怜でしょ!!アンタにその過去と向き合おうとする気持ちがあるなら私達は全身全霊かけて応援するよ!!」



さすがアリス。



多分これは遠まわしに向き合えって事なんだとは思うけど。




「ありがと…。俺は狂った魔術師と向き合う。本当は迷ってた。初めに狂った魔術師が関係してるって聞いたとき。やめようかなって…。でも今は違う。俺は向き合う」




「向き合えばどーなるってこともなくても?」



ウミがずいっと怜の前へ出る。



そして怜をにらみつけた。




「どーなるってことがないっていう事は罪は消えないって意味?それなら知ってる。この世に償える罪なんてない。償える罪は罪じゃない。償えないから罪。もし狂った魔術師が俺を殺したいならそれでも良いよ。覚悟はできてる。問題は狂った魔術師の心なんだから。だから彼がしたいようにするまでさ」




みんな黙り込んだ。



覚悟の大きさが分かったから。



『彼のしたいようにするまで』



そんなこといえるなんてすごい。




「怜…君はそう悪くないね」



ウミは少しにっこり微笑んだ。



これって怜を認めたってことなのかな?



多分そうだと思う。



うん。




狂った魔術師ともこうやって分かり合えたらいいね。



そして俺も悠里と向き合わなきゃならない。



悠太君も…。



じゃないと先に進めないよ。




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