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D・H  作者: ララ
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「和解」

もうわけがわかんない。




怜の肩に頭乗っけてやった。




重いだろ。




ばーか!




怜の馬鹿。




そんな事するなんて本当馬鹿だよ。




罪悪感一生背負ってかなきゃならないんだぜ?




馬鹿…。





「…お前最低だよ」




散々頭の中をめぐった言葉の中で最初に俺が怜にいったのはこの言葉だった。



怜は答えない。



泣いてるみたいで。




「なぁ怜?聴こえてんだろ?」



返事しろよ。



俺と向き合ってよ。



怜。









あぁ…今すぐ逃げたい。



言われるとは思ったけどしかも考えてたのと全く同じ台詞。



『お前最低だよ』



いざいわれるとやっぱ想像してたよかきつい。




最低だって分かってるけど焔に言われたくなかった。




焔の前では頼れる兄ちゃんみたいでいたかったのに。




何も言い返せない。



動けない。



だって焔が俺の肩に頭のせてる。




振り払えない。




違う。





振り払いたくないんだ。









「きこえてんだろ!?」




焔が俺のそばで叫ぶ。




泣いてる?




焔泣いてる。




だって肩冷たいよ。



ぬれてるのが分かる。



でも俺も泣いてるから焔のこと見れない。



こんな姿見られたくない。



最も醜くて情けない俺。



だけどあまり焔が泣くから。



気になるじゃないか。



「…なんで…焔泣いてるの?」



できるだけ泣いてんのがばれないように言葉を発する。



震える声を抑えて。




「…怜が泣くから。怜がムカつくから。怜が最低だから」




もう何もいえない。




やっぱり嫌われたんだ。




「っ…そんでもってなぁ怜が嫌いになれないからぁ!!」



焔は叫ぶようにしてその言葉を口にした。



今嫌いになれないっていった?



嘘だ。




「そんなわけないよ…。軽蔑したろ…?」



「したよ?したけど嫌いにはならない」



焔がはっきりという。



どうしよう。



どうしよう。



どうしよう。



これってすごくすごく嬉しい。



やばい…



また泣けてくる。



まだ理由きいてない。



「なんで嫌いになんないの?」




「そんなの知らない。だけどお前を見放すのは嫌。離れるのも嫌」



知らないだって。



「ふっふふ…」



なんでか知らないけど笑いがこみ上げてきた。



とうとう俺狂ったのかな?



「なんで笑ってんだよ…」



違う。



狂ったんじゃない。



嬉しいんだ。



「嬉しかった…から。どうしよう?すごく嬉しいんですけど…」




焔のほうをみた。



ぐしゃぐしゃな泣きっ面で。



焔も目が赤い。




「馬鹿だな!お前。本当馬鹿!!!」



焔は笑った。



それから俺は泣き続けた。



いろんな感情があふれてきて止まらなかった。



罪悪感とか色々。



狂った魔術師は俺を許してくれるかわかんないけど焔と決めた。



狂った魔術師と向き合うって。



狂った魔術師という呼び名がついたってことはきっと兄さんは狂っちゃったんだ。



それは絶対に母さんと俺の所為。



それはまぎれもない事実で



焔は俺を嫌わなかったけど




でもその罪が変わることはないんだ。



永遠に。




罪なんて償うことはできないんだよ。



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