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D・H  作者: ララ
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「和解」

何回呼びかけられたって絶対に答えられない。



だって俺(怜)は汚いから。




焔に俺がやったことを話したらどんな顔するかな?





お前最低だよ。





そう言うに決まってるよね。





だから俺は言えない。





嫌われたくない。





でもこのままいるわけにもいかない。





どっちにしろ壊れちゃうよね?





俺らの関係。





だけど言いたくないんだ。





怒った焔をみていつも可愛いなって思ってた。




俺には弟いないから。




弟みたいな気がしてたのかも。




だけど本当に怒って嫌悪した顔を自分にむけられるのは怖い。




軽蔑されたくない。




自分がやったことがどんなにいけない事だったかは分かってる。




なのに軽蔑されたくないだなんて俺はずるいのかな?





ねぇそう思う?



「馬鹿怜ーーーーーーー!!!!」




ざっという音と共に俺が座ってる木の枝に焔も乗っかってきた。




少し驚いた。



そしてかなり焦った。



逃げたいけど俺が焔を手放したくない限りいつかは向き合わなきゃならない事を知っていたから。




「焔…」




だけど焔は何も知らないから俺の頭を撫でる。




なぐさめようとする。



俺にはそんな価値すらないのに。




「なぁ〜怜〜なんだっていうんだよ〜?こんな怜みたことない。ほら、良い子良い子してやるからさ〜。な?どーしたんだよ?」



焔が心配そうな顔をしてる。



「…何があったかなんていえないよ」



言えるわけない。




「なんで?」



怒るかな?って思ったけど焔は怒らなかった。



「なんでも…。軽蔑する。俺のこと嫌いになっちゃうよ?」



少しさめた目で笑う俺。



「…。馬鹿だなー!!俺すでにお前嫌いだもん♪」



焔が悪戯っぽく笑う。



ごめん焔…冗談きつい…。



黙り込んだ俺をみて焔が少し深刻そうな顔になる。




「や…。ごめん…嘘。なぁ…たとえ軽蔑したとしても俺絶対怜のこと嫌いになんないよ?皆もそうだと思うけどな…。(ウミぬかしてね)拓斗とアリスは最近会ったばっかだけどさー…なんていうか…そういう風に簡単に人を嫌うようなじゃないし。もし皆がお前を嫌いになっても俺だけは捨てないでいてやるよ!」



最後は冗談っぽく笑った。



焔らしいな。



それでいつも俺は元気付けられてたわけだけど。



でもゴメン。



元気になれないよ。



そういう焔の純粋なとこみて今俺すごくひねくれた心でいっぱいだ。



絶対に嫌わないなんてありえないんだよ。



そう…言っても言わなくても気まずくなるなら、もういってしまおうか。



俺の過去。



「そんなにいうなら教えてやるよ。俺の過去…」



邪悪に笑う俺。



表情が止まった焔。




さぁ…昔話の始まりだ。


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