「和解」
「れーいっ!!怜ってばーーーーー!!」
さっきからひたすら呼びかけてるのは私の隣にいる焔。
怜ったらずーっと木の上に登ったままおりてこないのよね〜。
返事もなしだし。
親友?の焔ちゃんの呼びかけにさえ応じないんだから〜。
それとも私がいないほうが怜ちゃんも話しやすいとか??
そういえば拓ちゃんたちこおないわね〜…。
もめてるんじゃないでしょうね?
ちょっとみてくるか…。
「焔ちゃん!」
「あ?」
「私ちょっと拓ちゃんたちみてくるわ〜」
「あ…おう…!あっちももめてるかもな〜…」
「そうなのよね〜!!じゃ後はよろしくね」
そういってリンは走っていった。
残ったのは怜をぬかせば俺(焔)だけ。
怜のこんな姿はじめてみた。
長い間一緒にいたのに。
7歳になって一人立ちしなくちゃならなくなった時俺はずっと泣いてた。
母さんがどっかいっちゃって追いかけても振り払われて…置いてかれて…。
寂しくて不安でどうしようって俺ずっと泣いてた。
毎日毎日一人でさまよう。
母さんを探していたのかも。
そして毎日毎日一人で泣いた。
そんなときだった。
お前が…怜が俺に話しかけてくれたのは。
○6年前○
「何泣いてるの?」
ごつごつした岩の陰で夜ないてた俺は初めて他人に話しかけられた。
「うっ…。誰…?」
情けないけど俺はなきじゃくりながらなんとか答えた。
「俺?誰って言われてもなぁ…。お前はどうしたんだよ?親とはぐれたの?」
その時の怜は俺を心配してるようにみえなかった。
だって笑顔だったから。
「…なんでっ笑ってんだよっ…。それっに…俺…はぐれたんじゃねーよ…!一人立ちしたんっだから…」
そういって怜をにらんだっけ。
「え!?お前7つ?みえない…」
怜がすごく驚いてたの覚えてる。
その時俺はすごく怒ったけど確かにあのときの俺は7歳にはみえなかったかも。
縮こまって泣いてたし7歳にしては小さかったと思う。
「そっかー。一人立ちしたばっかなんだな?だったら俺と来いよ」
怜はにっこり笑って俺に手をさしだしたんだ。
こんな怪しい奴についてくもんかとか思いながら結局手をだしちゃって。
それから今までずっと二人できたんだ。
その間の怜は無敵で…どんなことがあっても泣くなんて事なかったし、俺の前ではへっちゃらって顔してた。
だからそんな怜がこうやって落ち込むなんて相当なことなんだろう。
だけど俺はききたい。
それが何なのか。
だって友だちじゃん?
俺ら。