「和解」
「要はお前と悠里は友だちっていう絆があったんだよ!!今もその時もそれは現在進行形なんだ!!」
ウミはすごく驚いたような顔をしている。
「ともだち…」
アリスは俺に向かってにっこり笑った。
「そ!友だち。わかるだろ?」
「わかる…よ。でも友だちなんかじゃない…」
「なんで?」
ウミのやつまさか悠里を友だちと思ってないって事か?
「僕は悠里の心の一部をとってるんだよ?そんな友だちいないよ…。もう取り返しつかない」
ウミがつらそうな顔をしている。
俺もなんていっていいかわかんなくて…。
すると悠太君がウミの前へきた。
「なーにいってんだよ。そんなん返せばいいじゃん。ウミだけじゃないよ。心をとられる隙が悠里にあった。その隙を作った奴にも責任があるんだ」
俺はドキリとした。
俺のこと?
「僕は悠里に最後ひどいこといったんだ。悠里は僕の所為ででてったんだよ」
悠太君の顔はすごく落ち込んでて…。
「違うよ。俺の所為なんだよ!!」
俺はそう思う。
絶対俺の所為なんだ。
そのまま俺らは黙り込んでしまった。
「あーーー!!もう!!これも全部運命なんだってばー!!タイミングが悪かったの!!!そんなことよりその怜は大丈夫なのかな?」
アリスが心配そうに怜の走っていったほうをみる。
そうだ!!
怜は?
「ほっとけばいいよ」
ウミがまた暗い顔になった。
「そんなわけにいかないだろ」
俺はウミを軽く睨む。
「…さっき拓斗僕の話きいてたろ?」
ウミも俺を軽く睨んできた。
「きいたけど…きいたけど…あれって怜が悪いっていうか…母親だろ?」
だって怜はまだその時4歳だ。
それにしても俺とウミ。
同じだとは思えないよ。
まあ育った環境が違うから性格違うのも当たり前だけど。
「だけど母親に言われて実行した怜も悪い」
「そりゃ…悪いけどまだ4歳だったんだし…」
「4歳?だったら大体の理解力はあるんじゃないの?」
ウミは不機嫌そう。
「そうだけど…そうかもしれないけどこの世には簡単にいかないことがあるんだよ。ましてや怜はずっと狂った魔術師が監禁されてきたのをずっと見ていたわけだし…。自分もそうなったら…とか考えたりしたんじゃないの?」
「…」
「まあ…話を本人に聞いて見なきゃわかんないんじゃない?」
悠太君正当だな。
そう、俺らがグタグタいってても仕方ない。
「別にどうだっていいよ」
ウミが顔を背けた。
「どうだってよくないよ!!俺らは悠里を連れ戻すためにいわば同盟を結んだんだぜ?内輪もめしてちゃ、困るだろ。実力だって半分しかでないよ!」
根拠ないけど。
「…わかったよ」
ウミを説得して俺らは怜を探しにジャングルの中へ入ることにした。
ちなみに悠太君は集中力が続かず能力開花はこの揉め事が終わるまでお預けとなった。