「和解」
夜。
俺と悠太君は帰らなきゃならなかったんだけど悠太君を帰して俺はまた皆のとこに戻った。
なんとなくそうしたい気分だった。
結局悠太君の能力覚醒できなかったな。
みんなは疲れきってるみたいでもう寝息をたててた。
アリスはテントの中で寝ている。
(俺が持ってきた)
で、俺らは砂浜にシートを敷いて寝てる。
今は夏でここはなんだか特に暑いから毛布なしでも寝れる。
俺は一人中々寝付けなかった。
こういうところで寝るのは初めてだし、星空がそれはもう綺麗で綺麗でずっとみてたって飽きなかったんだ。
悠里はここでウミといたんだ。
こんな綺麗な空をみたら俺らの事なんか忘れちゃうかもな。
吸い込まれそうだ。
「ん…」
誰かうなされてるみたいだ。
起きてみるとそれは少し離れたとこで寝てるウミだった。
「…り…」
苦しそうだ。
そ〜っとウミのとこへ行ってみた。
起こしたほうがいいのかな?
「…う…」
なんかいってる。
「ゆう…り…」
よくみるとウミは泣いていた。
(寝ながら)
俺は起こさないで自分の寝てた場所に戻った。
ウミが俺に重なる。
最初悠里がいなくなってからアリスに会うまでの俺に。
痛いほど分かるウミの気持ち。
もう一人の俺。
やっぱりたどる運命は一緒なのだろうか?
ウミをみてまた悠里のことを考える。
悠里のことは悠里に会うまで頭から離れそうにないよ…。
次の日寝付いたのが一番遅かった俺はおきるのも一番遅かった。
朝目覚めると皆は朝ごはんの用意をしていた。
リンは水をあやつり上手く魚をとっている。
アリスは念動力でリンと一緒にやっぱり魚とり。
怜とウミは果物をとりに行ったらしい。
焔は俺の横で火の番をしていた。
どうりで熱いと思った…。
こんなもんかとリンとアリスは顔を見合わせ魚をもってこっちへ戻ってきた。
あ、みんなに謝らなきゃ;
「3人ともごめん;;俺寝てて…;そしてありがと!!」
そう俺がいうと三人は顔を見合わせた。
「「「…」」」
黙っている。
…?
「どうしたの?」
俺がおそるおそるきいてみると皆は少しおどおどしながら言った。
「いや…これくらいのことで…そんなふうにお礼いわれたりしたことないから…」
と焔。
「そうよね〜;律儀ねぇ」
これはリン。
「どういう反応したらいいか一瞬思考停止しちゃったわよ」
アリスが少し驚いた顔をして俺に言った。
俺はむしろこの三人にどういう反応したらいいかわかんなくて思考停止してしまった。
そういうもんなのか??
お互いかたまってるうちに怜が戻ってきた。
「はい」
どさっと果物が落ちる。
「ぎゃ〜!いたむじゃない!!」
アリスが果物を一箇所に集めた。
「あれ?ウミは?」
焔がきょろきょろ見回す。
「さぁ…?もうくるんじゃない…?」
怜の顔が少し曇る。
どうやら怜もウミと仲が良くないらしい。
そういやなんかもめてたな…。
少したってウミが戻ってきた。
「…」
果物のある場所に自分がもってきたものを重ねる。
そして朝ごはんがはじまった。
ウミも一緒に!
相変わらずだんまりだけど一緒に食べるようにはなった。
やっぱ距離が近づいてる?
このままウミとアリス仲直り?したらいいなぁ…。
昔は仲良かったみたいだし…。
アリスは世界を守るだけじゃなく本当はウミを連れ戻したいって思ってるんだと思うんだ。
きっと…。