「和解」
俺らは仕方ないからウミぬきでおにぎりとクッキーを食べた。
時々焔がわざと「うめぇー!!!」とか大きい声でウミにむかって叫んでたけどウミは無視していた。
さっきから一人で座って小枝をいじっている。
ったく…。
そんなに俺が嫌なのか?
まぁいいけどさ。
…少しやだけど。
一個目のおにぎりを皆が食べ終わるくらいに(母さんは一人2個あたるように作ってくれた)アリスはウミの分をもって立ち上がった。
そしてウミのほうへ…。
俺らはおにぎりを食べる手を止めてウミの方をみた。
ウミもアリスに気付いたみたいで小枝を地面に放り投げ立ち上がり去ろうとした…。
そこをアリスががっちりつかむ。
「何逃げようとしてんのよ!!」
「…」
ウミが露骨に嫌そうな顔をした。
「食べなさいよ」
「いらないよっ…!!」
ウミがぷいっと前をむく。
「あーーーーー!!いい加減ひねくれるのはやめなさい!!!」
そう叫びながらアリスはおにぎりを思いっきりウミの口の中へ突っ込んだ!!
「!?」
ウミはあわてておにぎりをつかみだす。
そしてむせだした。
「げほっ!!なっなにっ!!げほっ」
何するんだっていいたいみたいだけど咳が邪魔して上手くいえないらしい。
「ふっ…ははははははははっ!!」
俺たちはみんな笑ってしまった。
だってその姿があまりにも間抜けだったから…。
「なっ…げほっ…笑うっな…!!!」
ウミは俺らの方を向いた。
すると周りの砂が巻き上がる。
ここは砂浜だから砂がすごく細かく舞った。
「へ〜!!風使えるんだ〜!!」
怜がびっくりしたように言う。
慌てる様子はない。
「あら〜ww私と近い性質ねww」
リンがウインクする。
俺は一人慌てていた。
悠太君はというと…感心していた。
「すごい…!!漫画みたーい!!」
のんきだなぁ;;
アリスは笑っていた。
「ようやくアンタらしいわ!」
これがウミらしいとしたらすごく凶暴だよ…。
砂は砂嵐となり俺らのほうへ向けられた。
俺は悠太君の手をつかんで慌てて避難した。
草葉の中からみんなをみる。
残ったのは向こうの世界の人間のみ。
すごい戦いになりそうだ…。