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D・H  作者: ララ
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「和解」

先に口を開いたのは母さんだった。



話したのは焔のこと。


焔が自分の母さんと俺の母さんを重ねていることは薄々気付いていたけどここでやっと確信した。



やっぱりそうなんだ。



7歳で母親と父親とは永遠に会えなくなる向こうの人たちに付きまとうのは常に寂しさなのかもしれない。



話を聞いたところ独りでいる人間も多いのだろうし。



母さんはそこまで知らないけど。




ウミも寂しさからきてるのだろうか?



あの憎悪の感情は。



きっと暖かい世界がほしいんだ。



それが憧れをこえて憎しみになってしまったのかな?



そう考えるとウミもかわいそうな奴なのかもしれない。



アリスも普段は明るくしてるけど本当はどうなんだろう?



怜もリンも。



みんなもしかしたらこっちの俺の世界に憧れてるのかな?



俺らにとっては十分穢れた世界。



戦争とか殺人とか…毎日醜い事が起きている。



それでもこの世界に憧れる。



もう俺ら人間はくるっているのかもしれない。



本当に良い世界…楽園はもしかしたらウミの言うとおり新天地にあるのかも。




けど俺はやっぱりこの世界が好きだから。


だから俺の世界を取り戻すんだ。


狂ってたってかまわない。



俺は悠里を取り戻し世界を取り戻す。



今やっとすっきりした。



「母さん…ありがと」



そういって俺と母さんは笑った。



「俺…いかななきゃ」



そういって立ち上がる。



「どこに?」



母さんは心配そうに言う。


もう夕方で外は暗くなってきている。



「焔たちのとこに特訓に!」



俺はにっこり笑ってでてこうとした。



…が、とめられた。




「ちょっとまって!!」



「何?」




「クッキーもってきなさい。あと夜ご飯まだでしょ?おにぎりつくるから…何人いるの?」



そういって母さんは少し困ったように笑った。



ありがとう。



母さん。




「7人!」



元気に答える俺と反対に母さんはかたまった。



7人という数字は予想外だったみたい。



俺は母さんを手伝った。



結局家をでれるのは30分たってからだった。



アリスがいる俺の部屋にいかなきゃならなかったけど母さんがどうしても見送るというので俺はアリスを先に外にだしておかなきゃならなかった。



さすがに女の子を部屋で寝泊りさせてるとはいえない。



ちなみに焔達にはちゃんと寝る場所はあるといってある。


さすがに7人(俺と悠太君ぬけば5人)も家においておけない。



母さんは焔を気に入ってるみたいだけど俺的には母さんと焔が仲良くしてるのは正直面白くない。



(いっておくけど別にマザコンとかそういうのじゃないぞ!)



だってそうだろ?



普通そうだよ。


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