「和解」
「どうしたの?悠里君のこと…?」
悠里のことは悠里のことだけど違うんだよな〜と思った。
母さんは悠里のことに俺が罪悪感をもっていて悩んでると思ってる。
それもあるけど悠里を連れ戻せなかったこととか色々あるんだ。
…言おうかな…。
でも信じてくれるわけないし…。
でも言おうかな…?
言ったって母さんに危険が及ぶわけじゃないし。
「母さん…今から俺が話すこと信じて聞いてくれる?」
「信じるに決まってんじゃない!私はあんたの母親よ?」
母さんはそう言ってウインクした。
「ありがと…」
俺は母さんに悠里がきえてから昨日までのことをすべて話した。
でもすべてといったらうそになる。
世界を滅ぼすってとこは抜いた。
ただ悪い事をしようとしてるって…そう伝えた。
ちなみに焔たちが違う世界の人間であることは言った。
母さんは相槌をうちながら真剣にきいてくれた。
少なくとも俺の目にはそう映った。
すべて話し終わった。
母さんは悲しそうな顔で俺をみる。
「悠里君がしようとしている悪い事ってなんなの?」
俺は答えに困る。
「いえない…けど悪い事。人によってはなんてことないかもしれないけど…悪い事」
それしかいえなかった。
「その悪い事をとめるってことは…アンタ危険なんじゃないの?」
母さんが俺を心配してる。
それを感じただけで嬉しかった。
「大丈夫だよ…。焔もみんなもいるし。そんな危険じゃないんだ。ただ…悠里を説得しなきゃいkないだけで」
俺は母さんを安心させるために笑顔をつくった。
「とめたって…きくわけないものね」
母さんが小さくため息をついた。
「うん。きかない」
俺はまっすぐ母さんを見る。
話してしまったことを少し後悔した。
心配させてしまうから。
「絶対怪我とかしないで無事に悠里君を連れ戻してくるって誓う?」
母さんは俺をみる。
「誓うよ」
俺は小指をだした。
「わかった」
俺らは指きりをした。
まあ母さんには敵は大した力がないから絶対に連れ戻せるっていってあるからそこまで死ぬほど心配するまではいかないだろう。
「で、いつ連れ戻しに行くの?」
「まだ決まってない」
「そう…」
それから俺と母さんは5分くらい黙っていた。