「和解」
あれから1日たった。
俺(拓斗)は相変わらず学校で、学校が終わったら一目散に家に帰る。
今日は母さんの仕事が休みで焔が家に来ている。
しかも午前から!
なんかおもしろくないわけで。
そうそう悠太君にはもう昨日のことを全部話した。
そうしたら悠太君は自分も特訓すると言い出したんだ。
だから今日つれてくんだけど…。
ウミもいるし大丈夫かな?
悠太君は気にしないっていってたけど…。
でもよくは思ってないだろうしな。
いろいろ考え事をしてるうちに家に着いた。
「ただいまー」
返事がない。
変わりに笑い声が聞こえてきた。
母さんと焔の。
「ただいまぁ!」
大きな声をあげて母さんと焔のいるキッチンへ行く。
「あぁおかえり」
「おかえりー♪」
ちなみに焔は開学記念日で学校が休みということになっている。
これは俺がついた嘘。
だって焔がどうしてもうちくるっていうからさー。
今二人が何してたかっていうと料理してたみたいだ。
このにおいはクッキー。
「母さん焔とクッキー作ってたの?」
イライラする。
「そうなのよー♪拓斗も食べるでしょ?」
「すんげーうまいぜ♪」
「焔君ったらクッキー初めて食べたっていうのよー。それから今まで食べた中で一番おいしいって♪」
「だってすんげーうまかったんだもん!」
すごく仲が良さそうだ。
すごく心がもやもやする。
これって嫉妬?
中2にもなってありえない。
そう思っても心は勝手に苛立っててもう抑えられない。