「糸」
早退(といっても届けはだしていないからサボり)
したとはいえ、すぐ家に帰るわけにはいかない。
お母さんに怒られるからだ。
昨日の公園に行ってみた。
銀髪少年はいない。
今なら銀髪少年がでてきても嫌じゃない。
むしろ嬉しいかもね。
寂しいんだ。
今すごく。
久しぶりにブランコに乗りながらこれからのことを考える。
そうこうしているうちにもう公園の時計は3時をさしていた。
早い子ならもう家についている。
僕は走って帰ってきたことにすることにした。
だから少し走った。
息をきらすために。
家に帰るとお母さんは怒っていた。
すごく険しい顔をしている。
どうしたんだろう?
一瞬考えたけどすぐわかった。
サボったことがばれたんだ。
当たり前だ。
センセイが連絡するって少し考えればわかったことなのに。
僕はよほど動揺してたらしい。
「どこいってたの・・・?」
低い声が「どすん」とぼくの心に響く。
「あ・・・と・・公園」
「なんで!?」
お母さんの声が大きくなる。
理由・・話せるわけがない。
話したくないよ。
みんなから嫌われたことがわかったんだ。
なんて。
なら怒られたほうがマシだ。
「怒れば?」
あ。また失敗;;
ストレートに気持ちを言った結果もちろんお母さんはすごく怒った。
僕は父さんが帰るまで部屋に閉じ込められてしまった。
独りっていう悲しみと二人きりで。