「協力」
「怜狂った魔術師について知ってるのか?」
拓斗がそこに目をつける。
「まぁね…」
「じゃあ怜があっちの世界にいって狂った魔術師の気をみつけたら良いんじゃない?」
アリスが提案する。
「そりゃいい!」
皆アリスの意見に賛成していた。
俺(拓斗)をのぞいて。
「でも怜はファインダーの能力少ししかないんだろ?それに…ウミ、お前も来なきゃ駄目だよ」
「お前らと一緒になんかいくもんか!!僕はお前…拓斗なんか大嫌いなんだ!!!世界中で一番お前が憎いんだよ!!なんでそんなやつと一緒にいかなきゃならないんだ!!!」
ウミは立ち上がると俺をものすごい形相で睨んだ。
「なっ…なんでそんなに俺を憎んでるんだ!?」
ウミは答えない。
変わりにアリスが答えてくれた。
「ウミはね…こっちの世界が嫌いなのよ。すごく憎んでる」
「え…?」
「うるさい!黙れ!ファインダー!!」
ウミが耳をふさぎながら叫ぶ。
そして俺はキレた。
「お前が世界を憎んだっていいけどなんで俺まで憎まれなきゃならないんだ!?そんなのおかしいよ!!大体お前が俺を嫌いだってどうだっていいんだよ!!悠里を…悠里を助けれれば俺は…!!」
俺(拓斗)は興奮しすぎて言葉がでなくなった。
ウミはすごく戸惑っているようだった。
「なんで…なんで一緒に行かなきゃならないんだ?なんで僕が必要なんだよ?」
「お前一人じゃ絶対に助け出せないだろ?それにお前は狂った魔術師の居場所を知っている。だからだ」
「…方法は別に僕に聞かなくたっていろいろあるだろ?」
「そうだよ!アリスが銀髪…ウミの気を探せばいいじゃん!!そいつだって悠里を助けに行くんだから!」
焔が叫ぶ。
そうだよ。
そういう方法だってある。
けどそれじゃあ駄目なんだよ。
「お前が助けに来て狂った魔術師にやられたら悠里が悲しむだろ?ウミ。絶対に勝つには人数がいるだろうし。悠里は俺のこと…嫌ってるから…。ウミの言葉じゃないと…こっちに戻ってこないと思うんだよ」
本当はこんなこと言いたくなかった。
でもいってやるよ。
悠里のために。
悠里を連れ戻せるなら俺はなんだってやる。
「お前…」
ウミの顔は少し悲しそう…というか切なげだった。
「狂った魔術師の居場所…教えてやってもいいよ。僕も一緒に行く」
みんなが喜んだのがわかった。
「本当に??」
俺はつい聞き返してしまった。
「嘘は言わない。悠里のためだ。だけど覚えておいて。悠里が戻れば僕らとお前らは敵だ」
そういうとウミは冷たい目で俺らをみた。
「わかったよ…。その時は俺らは敵だ。今だけ協力するだけだ」
「わかってるなら良い」
ウミは俺らに背を向けた。
「じゃあ早速いこう!」
俺は早く案内するように促した。
「じゃあワープだ。皆僕に捕まって」
ワープするには皆捕まらなきゃならない。
だけどその光景は電車ごっこみたいで少し滑稽だった。
「じゃあいくよ!」
次の瞬間俺らはワープした。
俺の口元は自然に緩んだ。
だってやっと悠里に会えるんだ!!
やっと…。
これだけ人数がいれば狂った魔術師を少しは止めれる!
悠里に奇跡をおこせばこっちのものだ!
ウミには悪いけど悠里は渡さない。
絶対に!!!