「駒」
家に帰るとアリスは部屋にいた。
「ただいまっ!!!」
「おかえり!さ、いくわよ!」
アリスはなんだかよくわからないけどやる気満々なようだ…。
「いくってどこに?」
「空き地よ!!技の練習!」
すごくはりきってるなぁ…って…空き地で練習だなんてムリムリ;;
「ムリだよ!!」
「なんで?」
アリスがあっけらかんときく。
「なんでって…人にみられたらどうするんだよ?」
俺は一生懸命アリスの説得を試みた。
「大丈夫よ!!夕方なら人通り少ないし…。大丈夫よ!」
二回も大丈夫と繰り返すとこがますます不安…。
アリスの奴適当に言ってないか?;
「まぁ…見張りをつければ大丈夫か…」
そんなこんなでとりあえず俺とアリスはみんながまってる空き地に行った。
「おっせーぞ!!」
気の短い焔が早速俺ら…ってか俺にむかって怒鳴る。
「そんなたってないじゃな〜い!ね?拓ちゃんww」
リンには俺は拓ちゃんってよばれるようになっていた。
「いいから早くはじめよーぜ!」
怜ナイス!!
「じゃあ誰からみせる??」
アリスは少し楽しそうだ。
「じゃんけんできめたら?」
俺が提案する…けど失敗だった;;
こいつらじゃんけん知らないよ…;;
「ジャンケン?」
「何それ?」
「バトルか??」
みんなが俺につめよる。
リンもじゃんけんは知らなかったみたいで。
俺は初めからじゃんけんの説明をする羽目になった。
ぎゃあぎゃあ言い合いながら話し合ってる俺らの姿はどうみえてるだろう?
そんなこと考えるわけも無く。
俺はそんな楽しそうにしてちゃいけなかったんだ。
だって悠里を傷つけたのは俺なんだから。
そんな俺が楽しそうにしてる姿をみて君は腹が立ったよね。
君が俺に話しかけるまで俺は気付かなかったのだけど…。