「たくらみ」
「まぁ…最初はびっくりしたけど…。みんな年齢はばらばらだし髪の色とかは派手だし…。でも拓斗笑ってた」
「拓斗ってわらわないんですか?」
ありえないとか思いながらもきいてみた。
「うん…。幼馴染の子が数週間前に失踪しちゃったの。その日から拓斗あまり笑わなくなっちゃって…。その幼馴染の子は悠里っていうんだけどね、悠里君が失踪する前に拓斗悠里君にひどいこといったらしいの。それをずっと気にしてるのよ」
拓斗の母さんは悲しそうだった。
ここの人間は俺にない感情をもってる気がする。
どうしてこう他人を気にせるんだろう?
あ…でも母さんは…俺の母さんは俺のこと大事にしてくれたっけ…?
7歳になるまでだけど。
(ひとり立ちするまで)
俺は拓斗の母さんを見てると…一緒に話してると…胸がきゅ〜ってなんか締め付けられる感じになることがある。
今わかった。
思い出すんだ。
母さんを…!
俺の母さん。
そう思うと何か目から零れ落ちてきた。
なんだ…久しぶりに見たぞ?
これ…涙じゃん。
なんでないてるんだよ!
俺!!
信じられねえ!!
「焔君…ないてるの?」
赤くして顔をうつむかせてる俺に拓斗の母さんが声をかけてくる。
優しく。
やめてくれよ!
なんでそんな優しくする?
ほらっ!!
馬鹿〜〜!!
涙とまんねぇよ…。
「焔君?やっぱ何か悩んでるの?」
すごく心配そうにしてくれる。
しまいには布切れ(ハンカチ)だして俺の涙をぬぐうときた。
もういいよ。
言ってやるよ!
だって仕方ねぇじゃん。
涙とまんないんだよ。
「俺…拓斗の母さん…みてる…と…母さん…思い出す…」
とぎれとぎれになんとか言葉を発した。
情けねぇ;;
「そう…。もうあえないの?」
拓斗の母さんがすごく悲しそうな顔して俺にきく。
「多分…二度と会えない」
その言葉を発したとたんまた涙が流れてきた。
そうしたら次の瞬間俺は拓斗の母さんに抱きしめられてた。
やわらかい。
母さんと同じ。
俺はめちゃくちゃ泣いてしまった。
泣いて泣いて泣いて。
声もがらがら。
なんかここは忘れてたものを思い出させられる。
人と人とのつながり。
不思議だ…。
「寂しかったんだね」
拓斗の母さんがそうつぶやく。
寂しかった…?
そうなのかな?
俺には怜がいたけど…
でもやっぱり母さんにあいたかった。
はじめは母さんを探したりした。
でも見つからなかった。
その思いがかさなってたってこと?
ああ…この世界は何かが違う。
俺はこの世界…嫌いじゃないかも…。